【福祉機器展12】千葉工業大学開発の電動車いすは段差があっても大丈夫
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千葉工業大学の「PT-Mover P-type」がそれだ。「キャタピラーを使えば、段差を簡単に登ることができますが、それだと非常に燃費が悪くなり、長い距離が走れません。それでタイヤを使ったもので、何とかできないかと6年ほど前に開発を始めました。現在のモデルは6台目なりますが、25cmの段差でも平気の乗り越えられるようになりました」と中嶋秀朗准教授は説明する。
同准教授はもともとJR東日本の開発者で、移動体の研究を行っていた。そして、千葉工業大学に移り、生徒に講義する傍ら電動車いすの開発に取りかかった。「ここまでくるのにいろいろ苦労しました。特に部品代がたいへんで、すでに700万円も使いました」と振り返る。
しかし、その甲斐があって、中嶋准教授はこの分野では世界で先頭を走っているという。「あと1年半、この開発に専念させてもらえれば、立派なものを完成させてみせる」と自信を見せる。ただ、大学で講義をしなければならず、時間はもう少しかかりそうだ。
「今考えているのは次のフェーズで、なんとか企業と組んで量産化できるようにしていきたい」と中嶋准教授。その試作品の近くには、自身が考える電動車いすの完成予想図が飾られていた。
《山田清志》