三菱重工、泡の力による省エネ効果を民間フェリーで実証

船舶 企業動向
三菱空気潤滑システム(MALS)
三菱空気潤滑システム(MALS) 全 2 枚 拡大写真
三菱重工業は、泡の力で船体と水の抵抗を減らす「三菱空気潤滑システム(MALS)」をフェリーに初めて搭載し、5%以上の省エネ効果を確認したと発表した。

MALSは、ブロア(送風機)を使って船底から吹き出した空気が、細かい気泡となって船底をカーペットのように覆うことで、航行時の船体の抵抗を減らすシステム。2010年に初めて日之出郵船向けモジュール運搬船「YAMATAI」と「YAMATO」に搭載し、優れた省エネ効果を確認。同技術の適用範囲を拡大するため、技術的には困難とされる平らな船底部が少ない高速・やせ型船を対象としたシステムを開発、マルエーフェリーの協力のもとに「フェリー波之上」への搭載が実現した。

フェリー波之上は、三菱重工下関造船所で建造。全長145m、幅24m、喫水6.2m、総トン数8072トンで、鹿児島-奄美-沖縄を航路とする。海上運転による速力試験では、波高2.5~3mの悪条件ながら、5%以上の燃費改善効果(推進馬力低減)が確認され、高速・やせ型船でも摩擦抵抗の低減効果が得られることが検証できた。これは、同船搭載の推進ディーゼル機関に新たに適用されたNOx(窒素酸化物)排出規制強化による燃費増加分を補うレベルとなる。また、空気がクッションの役目を果たすことで振動・騒音レベルも低減。乗り心地の向上にも役立っているという。

《纐纈敏也@DAYS》

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