トヨタ 86 とカジキマグロの意外な関係
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なかでもユニークだったのが、エアロスタビライジングフィンと呼ばれる長さ5~20cmの流線形の物体。カジキマグロを参考にしてつくられたもので、それを車体の横に数カ所張り付けるだけで、走りが格段に良くなるというのだ。
「車を速く走らせるうえで、一番重要なのは空力を制御することなんです。そのためには車の上下だけでなく、車の横もスムーズに気流を流す必要があります。そこで、さまざまな検討を行い、その答えを海のなかに求めたのです」とチーフエンジニアの多田哲哉氏。
どの魚が一番早く泳ぐのか。それはカジキマグロだった。多田氏ら開発陣は形状を徹底的に分析、そして生まれたのがエアロスタビライジングフィンだったわけだ。
実際にフィンつけた『86』を運転してみると、確かにつけていないもの比べて大きく違った。特にカーブを曲がるときがそうで、路面にタイヤが張り付くように曲がることができ、運転がうまくなったと錯覚するほど。
「86はこれからもどんどん進化を続けていきます。そして、いろいろなタイプのものが出てくると思いますよ」と多田氏は話し、500万円を超える高級バージョンの登場も否定しなかった。
《山田清志》