三菱自動車の益子修社長は、2012年度の海外生産台数が初めて国内を上回ることについて「海外に事業を出していくことはリスクとは思っていない」とした上で、「むしろ国内でどうやって雇用を守るかが最大の心配事」との考えを示した。
三菱自動車の計画によると、2012年度の海外生産比率はタイを始めとする新興国での生産拡大により前年度の49%から61%にまで上昇し、内外比率が初めて逆転する。
益子社長は10月30日、都内にある本社で開いた決算会見後、一部報道陣に対し「国内市場は成長しないと誰もがわかっている。国内で多くの生産を維持していくことの方がむしろ事業としてはリスク」と指摘。
その上で「一番心配しているのは国内でどうやって雇用を守るかということ。雇用をしっかり守って、従業員が安定した生活ができないと、日本の国も穏やかな国にならない。だから国内をどうするのかというのが、最も大きなリスクだと思っている」と述べた。