【Fニッポン 最終戦】中嶋一貴、大ピンチはねのけ初王座獲得!

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Fニッポン参戦2年目で初のタイトルを獲得した中嶋一貴
Fニッポン参戦2年目で初のタイトルを獲得した中嶋一貴 全 17 枚 拡大写真

全日本選手権フォーミュラ・ニッポンは、4日、三重県・鈴鹿サーキットで今季最終戦の決勝(2レース制)を開催。最後の第2レースまで5人に可能性が残るという混戦の王座争奪バトルを制し、中嶋一貴が“最後のFニッポン王者”の称号をつかみ獲った。

この最終戦に自力王座の可能性を残して臨んだのは、5人のドライバー。中嶋一貴(トムス・トヨタ)、塚越広大(ダンディライアン・ホンダ)、アンドレ・ロッテラー(トムス)、伊沢拓也(ダンディライアン)、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(インパル・トヨタ)といった面々だが、ポイントリーダーの一貴は前日の予選でまさかの大不振。決勝グリッドが第1レース16位、第2レース9位という大ピンチに陥った。そして決勝日の午前、短い20周の第1レース(約116km)を無得点の12位で終え、塚越と伊沢にポイントで追い越されてしまった時点では「正直、気持ちが折れそうにもなりました」と本人。

しかし、一貴は第2レースで起死回生の逆転劇を演じる。このレースは28周(約162km)で、4輪タイヤ交換1回の義務づけがある設定だが、1周目を終えた段階でタイヤ交換を済ませ、そこから快ペースで飛ばして、上位陣がピットインした時には前に出る、という作戦を実行したのだ。これが見事に功を奏し、全車がタイヤ交換義務を終えた時点で、一貴はトップに立つことに成功。そのまま優勝を果たし、タイトル獲得を決めた。

「ピットアウト後のペースがキーだと思っていました」と一貴。エンジニアやチームスタッフとともに最後のスターティンググリッドまで「あきらめずにマシンのセットアップを良くしようと頑張った」甲斐もあって、予選と第1レースの不調がウソのように第2レースは「気持ちよく走れて、アッという間の28周でした」と大逆転劇を振り返る。そして「あんまり(タイトルを)獲りたいとか言う方じゃないんですけど、去年がシリーズ2位だったこともあって、今年は有言実行でタイトルを目指して、最後は(一時)厳しい状況にもなりましたが、チャンピオンを獲れました。今はホッとしています」と喜びを語った。昨年、Fニッポン新人時から“F1仕込みの高値安定ペース走行”を得意とした一貴が、土壇場でその強みを見せつけ、王座を手繰り寄せたのであった。

Fニッポンは来季からスーパーフォーミュラへと名を改めるため、一貴は最後のFニッポン王者。かつて、シリーズ名が全日本F2選手権だった1980年代には父の中嶋悟(現ナカジマレーシング監督)が5度もチャンピオンに輝いており、親子全日本チャンピオン誕生というかたちにもなった。

なお、最終戦の第1レースは伊沢が優勝し、松田次生(インパル)が2位、塚越が3位。第2レースの2位はロイック・デュバル(キグナススノコ・トヨタ)で、3位は塚越。またチームチャンピオンに関しては、塚越と伊沢を擁したダンディライアンが初戴冠を果たしている。そして前戦に続いて今大会が2度目のFニッポン参戦となった佐藤琢磨(チーム無限・ホンダ)は第1レース17位、第2レース10位という成績。

11月16〜18日に静岡県・富士スピードウェイで開催されるシリーズ外の特別戦「富士スプリントカップ」(SUPER GT併催)がフォーミュラ・ニッポンという名称での最後の戦いとなり、来季からは「全日本選手権スーパーフォーミュラ」へと改名、日本のトップカテゴリーは新時代の扉を開く。今大会では新シリーズロゴも正式発表された。来季開幕戦は4月13〜14日の鈴鹿、そして国内6戦+韓国インジェの新サーキットでの1戦(8月後半予定)の全7戦で、新生スーパーフォーミュラ初代王者の座が争われることになる(※開催日程等はすべて予定)。

《遠藤俊幸》

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