1997年のF1ワールドチャンピオン、ジャック・ビルヌーブが、セバスチャン・ベッテルはF1ドライバーとしてもう少し成熟すべきだと指摘した。ビルヌーブいわく、ベッテルの物事へのリアクションは「子供っぽい」ということだ。
ビルヌーブは、ベッテルのライバルであるフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)の方が悪条件に直面したときに強いと語るが、その一方でベッテルは一旦リードに立てば無敵だとの分析を示した。
「自信を持って言えるが、ベストドライバーはフェルナンド・アロンソだ。個人的にもサポートしている。セブ(ベッテル)の速さはスーパークィックと言っても良いが、不利な条件に直面した時にフェルナンドとの違いが現れる。こんなときにアロンソは沈着冷静で合理性を失わないが、ベッテルは大抵のケースで怒りを表に出して怒鳴ったり中指を立てたりする。子供みたいなリアクションだよ」
「まったく異なる二種類の成熟形態が見られるわけだが、はっきりさせておこう。セバスチャンも間違いのないエースだ。極限状況を処理する余裕が足りないだけだ」
ビルヌーブは続けて、今年のチャンピオンはアロンソで決まりだと明言した。
「僕はアブダビGPの出来事で、ベッテルに対する評価が裏付けられたと思っている。フィールド最後尾から追い上げる途中で、彼は手始めにセナにぶつけてフロントウイングを壊した。次にセーフティカーラン中にコントロールをミスしている。 結果的に損傷は軽かったが、エラーの質は重大だ。多くの人がベッテルはスーパークィックドライバーだと賞賛するが、単に運が良かっただけだと僕は思っている。2012年のタイトルにふさわしいのは、アロンソだよ」