【広州モーターショー12 】広州のジャスコは平穏に営業中

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広州モーターショー12、来場者のようす
広州モーターショー12、来場者のようす 全 8 枚 拡大写真

広州モーターショー12が11月22日から開催している。

日中関係の緊張が日本国内で断続的に報道される中、広州モーターショー12では東風ホンダの水野総経理が「政治の中枢である北京とは違い、中国南部の広州近隣では日系ブランドへの購入意欲に大きな変化はない」と感想を述べるなど、日系自動車メーカーの変わらぬ積極的な中国市場への姿勢が浮き彫りになった。

自動車産業以外でも、中国との関係に対しては慎重にならざるを得ない状況にあったところ、ここへきて緊張はにわかにほぐれてきていると見られる動きもある。

中国国内で反日デモによる被害を受け、イオングループ傘下のジャスコ(中国国内では「ジャスコ」の店舗名で展開中)が、暴動被害を受け営業を停止していた山東省にある店舗の営業を再開したと一部報道があった。モーターショーが開催されている広東省広州市でも、日中関係の悪化がピークにあった9月、暴動被害を寸でのところで回避したジャスコ店舗が存在したという経緯がある。

そうしたなか、広州市のジャスコ スーパーマーケット農林下路店は、平穏な営業を展開していた。

「Guang Zhou Meton Department Store」というデパートビルの地下1階で営業を行なっている同店舗。雑貨から食品まで、ワンフロアのみの展開ながら幅広い商品を並べる。

店舗の雰囲気や製品の陳列スタイルは、飲料類や雑貨などが特に洗練されているイメージ。店員は、日本では馴染みのある紫色に近いえんじ色のユニフォームを身にまとう。

簡単な食料の購入時、持ち運び用ビニール袋の必要・不要を、「不要」と応えた。レジ担当者は、価格をスキャンした製品へ、速やかに購入済みの印となるテープを貼った。その作業は非常に訓練が行き届いた流れるような作業だった。整った商品の陳列、ラインアップといったハード面に加え、サービス、人材教育といったソフト面の品質も、日系企業ならではの水準にある。

日中関係に軋轢が生じていること、それに伴い感情面に変化があることは間違いなく、日系自動車メーカーの販売台数の減少といった数値にも反映されている。しかし、中国は13億人を超える巨大市場であり、地域や所得階層、教育背景などによっては政治と経済を客観的にとらえ、製品やサービス品質を冷静に判断できる「目」を持った中国人も少なくない。

広州モーターショー12でも、日系自動車メーカーのブースが不人気であるということは一切なく、メーカー問わず自動車へのあこがれを抱いた多くの人々が会場に足を運んだ。

トヨタ自動車の大西専務は「困難なときこそ、中国を愛す」と明言。日本の内需を鑑み、世界規模で現実的な経済背景と将来像を考慮した結果が、トヨタ大西専務のコメントだったに違いない。

《土屋篤司・河口武志》

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