【日産 ノート 試乗】文句のつけようがないパッケージングと価格設定…岩貞るみ子

試乗記 国産車
日産 ノート X DIG-S
日産 ノート X DIG-S 全 12 枚 拡大写真

クルマにふつーに乗りたい人にとって欲しいクルマの要素は、低燃費、低価格、小回りがきく運転のしやすさ。でもって車内が広ければ、もうOKである。その希望をそのまま具現化したのが『ノート』。正直なところ、このパッケージングと価格設定には文句のつけようがない。

1.2リットルのダウンサイジング・エンジン。欧州車は積極的なのに、ハイブリッドを擁する日本勢はいまひとつ消極的だったこの戦略に、本腰を入れた日産。少し前なら「えー、1.2リットルぅ?」と、そのみみっちさに思わず語尾を延ばして書いてしまう排気量ながら、スーパーチャージャーとの組み合わせは、十分なトルクを持ち合わせスムーズに加速する。いまやダウンサイジングの1.2リットルは、完全に市民権を得た。

しかも気持ちいいのは、アクセル操作のエコ度具合を示す、インジケーターへの反応が早いということだ。燃費のいい走りをすれば、スピードメータ周辺に青い色が広がるのだが、かなりリニアに、アクセル開度にリンクする。余談だが、ホ●ダのフ●ットは、私のような典型的アラフィー女子の運転をすると、アクセル操作とエコメータがまったくリンクしない。アクセルを踏んでも緑なら、離しても緑。いったいどっちがエコなのか混乱するばかりで役に立たないのだが、ノートはそんなことはない。ノートが設定するユーザーの運転を上手に汲み取ってくれ、ありがたい限りである。

ただ、ひとつだけノートにリクエストをするなら、デザインもインテリアも上質を目指してそれなりにしっくりしているのに、その期待値からいくとボディの下回りやサスペンションが荒っぽい。女子のヒップを支えるには、もうちょっとしっとりと細やかな凹凸吸収をしてくれてもいいと思うんだけれど、どうでしょう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省 安全基準検討会検討員他、委員を兼任。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  3. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  4. “プチカスタム”でサマードライブの楽しさをブーストアップ![特選カーアクセサリー名鑑]
  5. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る