上位機種の機能を惜しみなく
新型『楽ナビ』は地図表示でも一段と進化を遂げた。従来の楽ナビLite は「ノーマルビュー」「ツインビュー」だけの表示だったものが、新たに「ドライバーズビュー」や「AVサイドビュー」を追加した。さらに地名を拡大したり、道路を強調して地図表示する機能も搭載している。
さらに100mスケールでの一方通行表示にも対応した。これらはHDDナビであるサイバーナビと同等の機能で、メモリーナビであっても優れた地図表示能力を身につけることになったのだ。ルート案内中は、分岐点に近づくと2D拡大図やリアル交差点イラスト表示、ドライバーズビュー、大型の矢印を使うアローガイドモードなど、多彩で分かりやすい表現によって進行方向をガイド。他にも方面看板情報を表示したり、オートフリーズーム機能を設定できるのも見逃せないポイントになるだろう。
◆70万kmの交通情報を取得するスマートループにももちろん対応
AV機能の充実ぶりも大きな特徴で、DVD/CDやSD/USB、iPod/iPhone(ケーブル別売)が再生可能。CDからSDメモリーカード(別売)へ楽曲を録音することもできる。さらにリアルタイムの最新情報が通信で得られる「スマートループ」に対応(通信モジュールは別売)し、最上位機のAVC-MRZ009及びMRZ007では渋滞などの道路情報を全国約70万kmが対象に表示が可能になった。駐車場満空情報やガソリン価格、季節のドライブ情報などが取得できるのも重宝する。さらにマップチャージによる地図更新が3年間無料なのも嬉しいポイントだ。
地図の更新方法は二通り。別売の通信モジュールを楽ナビに接続して車内で更新する方法。もう一つは自宅のパソコンを使って最新データをダウンロードしSDメモリーカードを介して更新する方法だ。地図データが常に最新でいられることにメリットを感じないではいられない。
◆ポータブルも自車位置精度・固定方法など着実に進化
なおポータブルタイプ(MRP006〜009)の4機種では、自律センサーが車速補完型の3Dハイブリッドセンサー(3軸ジャイロセンサー+3軸加速度センサー)が新たに搭載され、カーブしながらの上下走行となるジャンクションやインターチェンジ、立体交差でも高い精度で補足できるようになった。またクレイドルはワンプッシュでレバー固定できる吸盤スタンドにリニューアルされるなど、実用面でも嬉しい改良が施されているのもポイント。もちろん、エアージェスチャーも標準搭載だ。
インターフェイスの改善で使い勝手をさらに向上させ、メモリーナビであってもHDDナビとほぼ同等の能力を発揮するに至った新型『楽ナビ』。伝統の使いやすさと時代のニーズにマッチする先進技術を随所に取り入れ、新たステージへと一歩前進した。この6月にはシリーズ累計300万台を出荷し、数ある市販ナビの中でも長年にわたるベストセラーを続けるトップブランドの地位を、そうやすやすと明け渡すことはなさそうだ。