クライスラー 300に搭載のOEMビルトインナビは、国内初のGARMIN製

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クライスラー300Cエア具寿アリーに搭載された「メモリーナビオーディオナビゲーションシステム*1(Uconnect)」
クライスラー300Cエア具寿アリーに搭載された「メモリーナビオーディオナビゲーションシステム*1(Uconnect)」 全 10 枚 拡大写真

日本国内向けに12月から販売が開始されるクライスラー『300』。8.4型モニターのビルトイン型純正ナビに組み合わせられていたのは、なんと国内初となるGARMIN製だ。並み居る日本国内のカーナビメーカーを差し置いて採用されたその実力をレポートする。

輸入車であっても日本仕様となると、カーナビは国産メーカーの製品を組み合わせることが多い。ところが、クライスラー 300はカーナビに米国仕様と同じGARMIN製を採用した。すでにGARMINは日本市場においても市販ナビで実績があり、米国仕様と同じ方が詰めやすかったと思われる。システム全体は米国と同様、パナソニックが手掛けるが、8.4型モニターを採用するのは米国仕様と同じ。しかも、よく見ると最近では珍しい4:3のタテ/ヨコ比を採用する。この理由は電源を入れてみてすぐに理解できた。

ナビは16:9の比率で表示されるが、その上下にインターフェイスとしての表示が行われるのだ。上にはオーディオのモードやエアコンの設定値が表示され、下には機能切り替えるためのアイコンが並ぶ。つまり、ナビとして使っているときでもインターフェイスを常に表示しておけるよう、あえて4:3型モニターを採用しているのだ。それだけにモード切り替えなど操作はとてもしやすい。操作したときの反応も良好だ。最近見かけなくなった4:3モニターもこうした使い方もあるんだな、改めて感心した次第だ。

ナビのメニュー画面は見慣れたGARMINならではのもの。「目的地検索」と「地図の表示」が大きく2つ並び、その下には設定やツール、迂回路、停止の各アイコンが並ぶ。目的地検索に入ると各カテゴリーが全2ページで表示されるのもGARMINならではの構成だ。この操作系はとてもわかりやすいもので、初めて使う場合でもすぐに操作が理解できる。ただ、試乗車特有のものかどうか不明だが、ガソリンスタンドを選ぶとなぜかコンビニも一緒にリストアップ。コンビニやガソリンスタンドはもっともよく使うカテゴリーだけに、この区分けには少々戸惑った。

目的地を設定して出発するとすぐにルートガイドが始まった。リアルな3D交差点ガイドによって分岐点の状況もつかみやすく、地図も分岐点に近づくに従い拡大していくオートスケールを採用。走行中は、左下に目的地到着予定時刻を、右下にはGPSで検出した速度が表示される。高速道路走行中はインターチェンジやジャンクション、サービスエリアのリストも表示された。地図はおおむね見やすく、情報量も十分。音声ガイドのタイミングも良好だった。とくに、案内中に画面上に表示される表示される分岐点情報、分岐してからの方面情報は、GARMINならではの親切機能。使っていて安心感を感じさせる。

測位はGPS+車速パルスの組み合わせ。ジャイロセンサーは備えていない。そのため、トンネル内に入っても測位は継続されるが、交差点を曲がる時は自車の動きが若干遅れる。その影響もあって、交差点では一度自車位置が外れ、曲がりきった後でマップマッチングで修正されることの繰り返しとなる。この動きはGPSナビとほぼ一緒と考えていい。高精度なビルトイン型ナビを見慣れた目には少々違和感を感じるが、結果としてほぼ正しい位置を表示するので、さほど気にしなくてもいいだろう。

ところで、このシステムを起動させると画面には「Uconnect」のロゴマークが映し出される。これは米国でサービスが提供しているクライスラー独自サービスだが、残念ながら日本仕様ではこの機能はとくに備わっていない。クライスラー300のホームページを見ると、一応搭載してあるようなことが記載されているが、実際に日本仕様で可能なのはBluetoothによるハンズフリー通話(最大7基と接続可)や、DVD/CD/iPod再生などに対応する一般的なAVシステムにとどまっている。それでも、音声操作やステアリング操作などに対応するなど、実用面で不足は感じない。

このシステムは「300リミテッド」「300Cラグジュアリー」のいずれにも搭載。とくに400万円未満で買える「300リミテッド」はなかなかお得感が高い。組み合わされる6スピーカーはアルパイン製で、「300Cラグジュアリー」になると20cm口径サブウーファーを加えた計506Wの9スピーカーシステムがセットアップされる。しかも、7.1chサラウンドにも対応するなど、AVシステムを存分に楽しむのに十分なスペックを備えている。試乗中にこれを存分に試すまでには至らなかったが、雨中の走行にもかかわらず低域はかなりパワフルで力強い。ドライブを盛り上げるのに十分なスペックを持つシステムと言えるだろう。

《会田肇》

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