【THS開発者への15の質問】なぜトヨタはハイブリッドを世界で初めて市販できた?

エコカー ハイブリッド
懇談会の様子
懇談会の様子 全 8 枚 拡大写真

トヨタ自動車のハイブリッド車『プリウス』が12月10日で発売から15周年を迎えた。同日開催された「永遠の記憶に残るトヨタハイブリッド 15周年ミーティング」では、「トヨタハイブリッド開発者への15の質問」と題した質疑応答が行われた。

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参加者による15の質問に回答したのは、トヨタ自動車製品企画本部小木曽聡常務理事、同豊島浩二チーフエンジニア、同岡部慎主査、同田中義和主査ら4名の開発陣。

「お客様や社会に貢献できるものを提案しなければいけない」

長谷川昭彦さん:兵庫県の尼崎からきました長谷川です。私はプリウスの初代、2代目、そしてPHVと乗り継いできました。さて、質問ですが、なぜトヨタ自動車は世界で初めて量販ハイブリッド車を市販することができたのでしょうか

小木曽:プリウスの開発が本格的に始まったのは1993年頃です。すでに地球温暖化など環境問題が叫ばれており、クルマにも環境への配慮が求められていました。環境対応の大切さは、僕がトヨタに入社した30年ほど前からずっと言われていました。そして、90年代に入る頃には、トヨタは多様なクルマがつくれるようになり、海外生産や輸出も増えていました。

そのような中で「トヨタは、よりお客様や社会に貢献できるものを提案しなければいけない」という声が、当時の豊田英二会長から上がったのです。それがきっかけで、未来を見据えたプロジェクト、通称「G21」が動き出しました。

「グズグズしないで早くやれよ」

小木曽:21世紀のクルマには何が求められるのか。どのようなビジョンを持って新しい時代に対応すべきなのか。圧倒的な燃費性能のコンパクトカーは、その解答のひとつです。最大の課題は動力源で、すでに研究部門ではハイブリッドの開発は行っていたのですが、いかせん市販化となるとコスト面などでハードルが高い。当時の内山田竹志チーフエンジニア(現代表取締役副会長)とともに悩みました。

僕たちが山積する課題に頭を抱え、足踏みしていると、トップの方から「グズグズしないで早くやれよ」と背中を蹴飛ばされました。そうなると、もうやるしかない。とても大変でしたが、エンジニア冥利に尽きるというか、ものすごいやりがいがあって、技術的な課題の検討や改良は、異例のスピードで進展しました。そして1997年の今日、プリウス発売となるわけです。ちなみに発表はその年の10月。開発期間はおよそ2年半ということになります。

僕は初代プリウスの開発から携わっており、もうすぐで足掛け20年です。2012年のトヨタの国内乗用車販売台数のうち、ハイブリッド車は約4割を占めるまでになりました。開発者ならではの嬉しいことはいろいろあります。でも先ほど皆様から花束を頂いたように、ユーザー様から直接、まして自分が世に送り出した、いわば子どものようなクルマの誕生日を祝ってもらうことほど嬉しいことはありません。改めて御礼申し上げます。

《村尾純司@DAYS》

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