【インタビュー】音声アドバイスでエコ運転の達人に…アイシンAW ダイハツDOPナビ開発担当

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アイシン・エィ・ダブリュ ナビ事業本部 技術企画部 三浦直樹氏
アイシン・エィ・ダブリュ ナビ事業本部 技術企画部 三浦直樹氏 全 12 枚 拡大写真

ダイハツが12月より販売を開始した2013年モデルのディーラーオプションナビに、音声アドバイスによるエコ運転支援機能を搭載したモデルが登場した。エコ運転の達人の運転特性を取り入れ、それをもとにエコ運転度合いを診断、音声によりアドバイスをおこなう。これに従い運転を改善することで、達人と同じ燃費を実現できる、という画期的なシステムだ。

[写真:エコ運転プロの走行ロジックを組み込んだカーナビ]

エコ運転を支援するためアイシン・エィ・ダブリュ(以下、アイシンAW)が開発した「エコトライアル機能」は、普段よく走るルートを登録することで、その道を走行した自分のエコ運転の度合いを記録していける機能。エコ運転の度合いはルート上に色分けされた葉っぱのマークで表示され、過去の自分に挑戦してルートのエコ度を高めていくことにより、ゲーム感覚でエコ運転を習得できる。

今回発売されたダイハツ向けディーラーオプションナビのフラッグシップである『NSZA-W63GD』では、更に改良が加えられた。「楽エコ教習」としてエコ運転教習をおこなう自動車教習所ファインモータースクールの教官の走行データをもとに、アクセル、ブレーキのタイミングを診断、グラフィックと音声でアドバイスする。アドバイスに従って走行することで、エコ運転の達人と変わらない燃費を実現できるというもの。開発にあたっては、楽エコ教習のプログラム開発に携わり、インストラクターも務める古田秀人氏、樋山裕次郎氏による走行データの収集、解析がおこなわれた。

自動車そのものの燃費改善が進む一方、使う側の人間によって実燃費が左右されてしまうのは、自動車メーカーとユーザー共通の悩み。

“どう走れば燃費を良くできるのか?”に対する一つの回答「エコトライアル機能」は、アイシンAWが掲げる“ドライバーとクルマと情報をナビゲートしよう”というカーナビに対する基本コンセプト「NBSS:Navi Based System & Service」のもと生み出されたものだ。

「エコトライアル機能」の開発の狙いについて、開発を担当するアイシンAWの三浦直樹氏に話を聞いた。

◆エコ運転のプロの走りと比較して“音声”でアドバイスする

----:2013年モデルのダイハツ向けナビに採用された「エコトライアル機能」ですが、これまでのモデルから進化した部分はあるのでしょうか?

三浦:このエコトライアル機能は、既に弊社のトヨタ様向けナビにも採用されているものですが、今回はダイハツ様向けのモデルということで、女性ユーザーや運転に慣れていない方が多いことを考慮した改良を加えています。

今までのモデルでは、自分の運転がエコ運転であったのかを振り返るのにモニターを見て確認して頂いていたのですが、今回のモデルでは音声を発話する仕組みを取り入れました。音声アドバイスに従って自分の運転を見直すことで、より燃費を良くしていけるものにしたのが、一つのポイントです。

また、エコ運転が出来ているのかを判定するものとして、自動車教習所のファインモータスクールさんにご協力を頂いて、エコ運転の上手な教官の方の運転ログを収集して分析しました。ナビに、エコ運転の上手な方の運転特性を判定基準としてとりいれることで、エコ運転上級者との違いというのがシステム上で確認できるようにしています。

----:自動車教習所の教官によるエコ運転というのは、どういうものなのでしょうか?

三浦:開発にあたっては、ファインモータスクールで実際に「楽エコ教習」のプログラム開発に携わりインストラクターを務める古田さん、樋山さんにご参加頂きました。実際に私も同乗させてもらったのですが、言葉で聞く以上に無駄な加速や減速が非常に少なく、乗っていて頭が揺さぶられないなど滑らかな運転をされているのが、一般のドライバーと大きく違うところと感じました。

◆交通の流れを乱さずエコ運転をするために

----:エコ運転かどうかを判定するロジックというのは?

三浦:技術的な面で言いますと、ナビの中に一般的に入ってくる車速パルスという信号を元に加速度を計算して判定しています。加速センサー等を使ったシステムとは違い、衝撃等でノイズが入らず、主に車の速度をみていますので道路の勾配等に左右されない診断が出来ます。

今回協力して頂いた古田さん、樋山さんには、高速道路や一般道、市街地から郊外まで幅広くかなりの距離を走って頂きました。そこから得られたデータを元に、エコ運転の上級者であれば突発的な事象がなければ100%達成できるところを判定のしきい値として決定し、古田さんや樋山さんのようなエコ運転の上級者であれば100点を取れるものとしました。

エコ運転を支援するシステムは世の中にいろいろなものありますが、実際の公道においてもエコ運転が上手い人の運転特性を取り入れることで、周りの車に迷惑をかけず交通の流れを乱さないというところが、このシステムのポイントになるかと思います。

----:確かに、こういったエコ運転支援システムで高評価を得ようとすると周りに迷惑をかける運転となるケースもあるので、支援サービスを楽しめない部分でありました。

三浦:元々このエコトライアル機能は、通勤の中でエコ運転を楽しんでもらうものとして開発したものなのです。同じ場所の行き来で、エコ運転をした場合としなかった場合に燃費にどれぐらいの差があるのかが解り、自分の記録に挑戦するといったゲーム感覚で楽しめ、より長く使って頂ける機能になっているかと思います。

こういったシステムは、実際にユーザーが使った時の納得感が大切であると考えていて、今回のモデルでは、古田さん、樋山さんといった模範となる人の顔が見えるようにすることで、判定結果も納得いくものとなりユーザーがより使う気になってくれる機能になったかと思います。

----:エコトライアル機能を使うことで、実際に燃費はどれくらい改善するものなのでしょうか?

三浦:従来のモデルでの数字になりますが、エコトライアル機能を使って運転方法を改善した結果、それまでの運転と比べ12〜13%ほどの燃費改善につながっていることがわかりました。

ダイハツ様では軽自動車がメインとなり、排気量の小さな車ほど燃費はドライバーの運転特性がそのまま燃費値となってあらわれる傾向がありますので、燃費の改善幅は大きいのではないかと考えています。

◆無理なく日常的に使えるエコ運転支援システムへ

----:エコドライブを支援するものとして、エコトライアル機能は今後どのような進化、展開になっていくのでしょうか?

今回協力いただいたファインモータスクールの古田さん、樋山さんは、エコ運転の達人だけでなく安全運転のプロでもあります。達人の運転特性がナビの中に入りユーザーに実践して頂くことで、エコ運転だけではなく安全にも貢献できる機能に仕上がったと感じています。

しかしながら、ファインモータースクールで実践されている「楽エコ教習」のようには、ユーザーに伝えきれていない部分がまだまだあります。今後に関しては、音声案内ではより詳細に必要なタイミングでアドバイスをしていくことも考えられますし、診断のロジックに関しても磨き上げていかなければならない部分もあります。最終的には、エコ運転の達人と同じ燃費を、無理なく日常的に実現できる支援システムにしていきたいと思っています。

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