【スズキ ワゴンR スティングレー 試乗】足回りの違いでしっかりした走りを実現…松下宏

試乗記 国産車
ワゴンRスティングレー
ワゴンRスティングレー 全 19 枚 拡大写真

『ワゴンR』のスポーティモデルとなるスティングレーには、標準車とは異なる仕様が用意されている。ターボ仕様のエンジンを搭載することや、足回りを中心にした仕様の違いが目につく。

逆に、合理的な設計や様々な工夫によって大幅な軽量化が図られたことや、電気系の新機構・新技術の採用で低燃費を実現したことなどは、基本的に標準車と変わらない。

外観デザインは基本的にはキープコンセプトで作られている。標準車のワゴンRほどではないが、スティングレーも大きく変わった印象ではない。ただ、今回のスティングレーにはLEDイルミネーションを採用していて、従来のモデルとの違いも明確だ。

インテリア回りの質感も本革巻きステアリングホイールやピアノブラック調塗装を施したアームレストなど、質感の高さも上々のレベルにある。シートはスティングレー専用にホールド性の高いものが設定されている。

搭載エンジンは自然吸気とターボ仕様の2機種。ボディが軽くなった分だけ自然吸気仕様のエンジンでも良く走る感じがあるし、ターボ仕様のエンジンなら余裕も十分だ。スズキが少し前から搭載を始めたR06A型エンジンの実力はなかなかのものだ。

足回りもしっかりしたチューニングが施されていて、コーナーなどの操縦安定性も満足できるレベルにある。スティングレーには、ターボ仕様車だけでなく、自然吸気エンジンの搭載車にもフロントスタビライザーが装着されているからだ。

スタビライザーが付いていれば良いというものではないが、装着されたスティングレーXの走りは、標準のワゴンRよりもずっと好ましいものだ。ターボ仕様車の足回りは更に硬めのスポーティな味付けで、タイヤの違いと合わせて一段と高い操縦安定性を実現する。

新型ワゴンRには、エネチャージ、エコクール、新アイドリングストップの3種類の電気系新技術が採用されている。これらは基本的に燃費を向上させるためのもので、それぞれに画期的なものであると同時に、実際に効果を発揮している。

自然吸気エンジンの搭載車はFFと4WDがそれぞれ28.8km/リットルと27.8km/リットルで、ターボ仕様車はFFと4WDがそれぞれ26.8km/リットルと25.0km/リットルを達成している。これによってターボの4WDでもエコカー減税が免税になるという画期的な燃費性能を実現した。

スティングレーの価格は軽自動車としてはちょっと高めの水準にあるものの、性能や装備などを考えると十分にリーズナブル。上記の新機構・新技術の採用によるコストアップも納得できる範囲内だ。軽自動車の定番商品として魅力的なクルマである。

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  2. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  5. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る