【鉄視点】九段下駅、半蔵門線・新宿線の壁撤去で“向こう側”が見えてきた

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九段下の壁が壊されていよいよ向こう側の電車が見えてきた
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東京都交通局と東京メトロによる「地下鉄のサービス一体化」の一環ですすめている、九段下駅の乗換え改善工事。半蔵門線ホームと新宿線ホームの間にある壁の撤去が、2012年度中の完了を目指しており、“壁の向こう側の電車”がいよいよ見えてきた。

東西線・半蔵門線・新宿線の接続駅、九段下駅は、地下4階に半蔵門線・新宿線ホームが並び、その上の地下2階に東西線が直交するように走る。東西線ホームが1964年、新宿線ホームが1980年、半蔵門線ホームが1989年と順次できあがった。

この新宿線と半蔵門線が平行して走る区間は、凍結工法が本格的に採用された区間としても知られる。九段下駅の東、日本橋川とその上を走る首都高5号池袋線と交差する付近の地下鉄建設工事は、軟弱な川底の中を掘ることになり、水分を含んだ泥を冷却して固まらせたうえで掘削するという手法がとられた。

東京都知事・猪瀬直樹氏の発言などで注目されるようになった“九段下の壁”は、半蔵門線押上方面と新宿線新宿方面の両ホームの間にある。新宿線・半蔵門線の乗換えは、いったん階段を上がり、2か所の改札を抜けて、再びホーム階へと降りるという移動を強いられる。

この壁が“崩壊”すると、一部の方向へは階段の上り下りをせずに同一ホーム(平面)で乗り換えられるようになり、改札を通るわずらわしさも解消される。

新宿線・半蔵門線のホームから“壁の向こう側”がいよいよ見えてきたわけだが、こうした地下鉄のサービス一体化の取り組みは、九段下駅だけではない。

JR秋葉原駅の東南、首都高1号上野線・昭和通の下を走る日比谷線の秋葉原駅と、靖国通りの下を走る新宿線の岩本町駅が、今後は“乗換駅”となり、運賃の割引が適用される。

また、災害時や悪天候などの際(きっぷがなくても)地下鉄構内を通って移動できる“改札通過サービス”も2012年度中の実施を目指す。例えば市ヶ谷駅。幅の広い外堀によって南北が分断されているが、その地下にあるメトロと都営の駅構内を通過して行き来できるようになる。

《レスポンス編集部》

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