『N BOX』から始まったホンダの軽自動車攻勢、第3弾はセダンタイプの『N-ONE』だ。そのスタイリングは言うまでもなく『N360』をモチーフにしているが、デザインスタディは2009年の東京モーターショーにおいて、電気自動車のコンセプトカー『EV-N』として出展されていたものだ。
デザインはボンネットを持つオーソドックスな2BOX軽自動車にも見えるが、全高は1610mmと、ダイハツ『ムーヴ』(1620mm)やスズキ『ワゴンR』(1640mm)とほとんど変わらないのは、高めのベルトラインや低く長く見えるボンネットなど、デザインの妙か。
プラットフォームはN BOXおよびその派生車『N BOX+』と共用。センタータンクレイアウトを採用し、N BOXシリーズや『フィット』と同様に後部座席が跳ね上がり高さのある物の積載も容易。
パワートレーンは、自然吸気(NA)タイプは43kW(58PS)/7300rpm・65Nm(6.6kgm)/3500rpmを発揮する高出力・高トルクの直列3気筒DOHCエンジン。最適チューニングを施したCVTの組み合わせにより、なめらかで力強い走りと、27.0km/リットル(JC08モード)の優れた燃費性能を両立した。またターボエンジンは47kW(64PS)/ 6000rpm・104Nm(10.6kgm)/2600rpmというスペックを発揮、燃費は23.2km/リットル。
グレード展開はベーシックな「G」、ターボ搭載の「ツアラー」、上質感を際立たせた「プレミアム」の3本立て。もっともベーシックなNA・FFのGでも、上位グレードと装備や外見に大きな差を付けず115万円のプライスタグを下げる。とくにプレミアムでは136万円から170万7750円と、フィットに相当する本体価格となるが、発売後1カ月で2万5000台を受注するなど、出だしは快調。再三にわたって提案されてきた「プレミアムKカー」のコンセプトが、N−ONEで本当に根付くのか、年度末の商戦にも注目だ。