【CES 13】アメリカで大人気のHDラジオ…二つの大きな進化

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トラフィック情報を伴った地図表示が可能になった
トラフィック情報を伴った地図表示が可能になった 全 10 枚 拡大写真
日本では遅々として進まないラジオのデジタル化だが、アメリカではもう完全に普及状態にある。その中心がHDラジオだ。受信が無料ということもあって、受信者も着実に増えて今では全米の約9割もの放送局が採用しているという。その最新情報をCES会場で追った。

まずHDラジオについて簡単に解説しよう。

HDラジオはデジタル放送ではあるが、従来のアナログ放送のサイドバンドにデジタル信号を載せる方式を採用しており、そのため周波数は従来のまま使用できる。デジタル波は電波が弱くなると途絶えるが代わりにメインのアナログ波に自動的に切り替わる。デジタルならではの多彩なコンテンツも提供しており、リアルタイムの交通情報や、ガソリンの価格情報、天気情報などを無料で取得できる特徴も併せ持つ。

そんなHDラジオの最新機能は大きく二つ。一つはトラフィックマップを表示して車両側がGPS機能を備えていれば自車位置を表示できるようになったこと。もう一つは、放送中の楽曲に対してアルバムアートが表示できることだ。いずれもデジタル放送ならではの特長を活かしたものとなっている。

地図はあくまで現在地付近を広域で大写しするもので、主要幹線を基本におおよその位置関係が把握できる程度。スケールチェンジもできない。しかし、初めて出かけた場所で何もないよりはマシ。おまけに交通情報も表示されるから、それを避けたルートを任意に選ぶことができるメリットは大きい。

アルバムアートは、あくまで送出側で用意することが前提となるため、必ずしも楽曲ごとに表示されるわけではない。それでもこの機能が追加になったことでアルバムのイメージを掴みやすくなるのは確かだ。とくにアメリカではインターネットラジオをクルマでも楽しむ人が増えており、こちらではこの表示が当たり前。HDラジオはそれに対応する形で機能追加になったものと思われる。

また、HDラジオは無料放送ということでCMも入るわけだが、この機能をスポンサーが利用することもあるという。

ところで、HDラジオでは音質重視を狙う放送局も登場している。もともとHDラジオは一つの放送局が4つのセグメントを持ち、大半は1つのセグメントしか使っていない。それが4つのセグメントすべてをビットレート高めるために使い、音質向上を図っているのだ。日本の地デジが採用している12セグとワンセグの関係と同じと考えていいだろう。

HDラジオの車載機側は大半が採用済み。しかし、日産とホンダだけはこれまでのところ非対応なのだという。ホンダは次期新型車でやっと搭載が決まったようだが、日産は今もなお搭載は見送られている。具体的な理由は明かさなかったが、ラジオメディアに対する認識の違いがあるのかもしれない。

それと米国で販売されているGARMIN製ナビでは、トラフィック情報をこのHDラジオで受信する機種もラインナップされる。受信ユニットは電源ケーブルに装着されるが、こちらも無料で情報が得られるということで人気は高いようだ。

《会田肇》

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