カンボジア、国内線に外国籍航空会社の参入認めず

エマージング・マーケット 東南アジア
カンボジア・アンコール航空の機体、ATR72
カンボジア・アンコール航空の機体、ATR72 全 1 枚 拡大写真

政府は現地紙プノンペンポストの取材に対し、カンボジアの国内線において外国籍の航空会社が参入する事を認めない方針を明らかにした。

CAPA(航空情報センター)は先日発表されたレポートの中で、カンボジアの国内線事業はカンボジア・アンコール航空一社によって独占されており、国内線事業を外国籍航空会社に向けて開いた方が価格やサービスの質が改善されるだろう、と指摘した。

カンボジア・アンコール航空は2009年、カンボジア政府(51%)とベトナム航空(49%)の出資により設立され就航した。現在はカンボジア国内線事業とホーチミン、バンコク間の国際線事業を行っている。

CAPAの報告を受け、テクリス・サムラッチ国務長官は「我国は国内線事業を海外企業に向けて開く事はしない。これは国際的慣行であり、多くの国々は外国籍航空会社の国内線運行を認めていない。」と述べた。カンボジアでは以前バンコクエアウェイズが国内線に就航していたが、カンボジアアンコールエアが国内線に就航するとほぼ同時に運行が終了している。

CAPAのチーフアナリスト、ブレンダン・ソビエ氏は「多くの国々では国内線事業を自国の航空会社で行っている事は事実である。これは自国の航空会社の保護が目的である。」と述べた。また過去の事例について「オーストラリアはかつて国内線事業をカンタス航空一社で行っており、健全な競争が行われておらず、価格やサービス面が未発達であった。しかしその後、国内線事業を海外に向けて開く事によって国内産業の競争力が高まった。」と主張した。

またソビエ氏はカンボジアの国内線に関し「外国籍の航空会社が参入し、国内線事業に競争が生じても、カンボジア・アンコールエアは旅行者たちの需要により、経営が傾く事は考えにくい。むしろこの独占をやめる事により、カンボジア・アンコールエアは国際的な競争力が高まるだろうと述べた。」

一方、サムラッチ国務長官は“国内線事業の一社独占”という表現に対し「これは独占ではない。我々は自国中から新しい航空会社が設立される事を望んでいる。」と否定した。

現在カンボジアでは、定期便ではなくチャーター便を運営している自国企業が数社ある。

《クロマーマガジン編集部・多賀史文》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. スバル『レガシィ』生産終了、米工場から最終モデルがラインオフ…36年の歴史に幕
  2. 「本気の電動二輪が出てきた」ホンダ初のフルサイズEVバイク『WN7』発表にSNS沸く
  3. 日産『マイクラ』新型、全車EVで約320万円から…英国で予約開始
  4. 「小さなハヤブサ」と「小さなYZF-R1」が宿っている…同じ250ccスポーツでも全く違う!? スズキ『GSX250R』とヤマハ『YZF-R25』を乗り比べてみた
  5. トヨタと別れ独自開発? BMW『Z4』次期型の最終デザインを占う!
  6. 新型取締機「JMA-520/401」に対応、セルスターがコンパクトな一体型レーダー探知機を発売
  7. 17年落ちクロスロードが“現代車”に化けた! 1年試して効いたアフターパーツ3選
  8. 日産『フェアレディZ』の「レトロな仕様」に注目…土曜ニュースランキング
  9. 可愛さそのまま! ルノー『トゥインゴ』が5ドアEVで2026年に復活…これが最終デザインだ
  10. 【ヤマハ YZF-R25 試乗】街では優しく、峠では刺激的。熟成された250ccスポーツの「二面性」…伊丹孝裕
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る