シンガポール不動産・飲料大手F&N タイ富豪ジャルーン氏が買収

エマージング・マーケット 東南アジア

【タイ、シンガポール】タイの富豪ジャルーン・シリワタナパクディー氏(68)がシンガポールの不動産・飲料大手フレーザー・アンド・ニーブ(F&N)に仕かけた株式公開買い付け(TOB)が成立する見通しとなったことを受け、リー・シェンヤン(李顕揚)会長をはじめとするF&N取締役は29日の定時株主総会に先立ち、全員が辞任する意向を表明した。

 ジャルーン氏は28日現在でF&Nの株式を46%確保しており、TOBが締め切られる2月4日までに過半数株を取得することが確実視されている。

 ジャルーン氏は昨年7月、F&N株の一部を取得。その後、F&Nの買収を目指し、オランダのビール大手ハイネケン、インドネシア資本の不動産会社オーバーシーズ・ユニオン・エンタープライズ(OUE)と争ってきた。ジャルーン氏は今年1月18日に買収提示額をつり上げ、OUEが買収合戦から撤退。ジャルーン氏によるF&N買収が事実上決まった。

〈ジャルーン・シリワタナパクディー〉
1944年、バンコクの中華街生まれの中国系タイ人。中国名は「蘇旭明」。小学4年で中退して物売りを始め、酒造会社勤務などを経て、酒造業に参入。蒸留酒、ビール、不動産、金融、消費財などを手がける巨大財閥を一代で築いた。傘下企業はタイのアルコール飲料最大手タイビバレッジ、不動産大手TCCランド、消費財大手バーリユッカーなど。不動産ではニューヨークの高級ホテル「プラザアテネ・ニューヨーク」を筆頭に、タイ、ベトナム、中国、英国、日本などでホテル数十館、バンコクのITモール「パンティッププラザ・プラトゥーナム」、バンコクの大規模コンベンションセンター「クイーンシリキット・ナショナル・コンベンションセンター」、オフィスビルの「エンパイアタワー」、マンション、ゴルフ場などを所有。米経済誌フォーブスがまとめた2012年版の「タイの富豪40人」では、資産総額62億ドルで3位だった。

ジャルーン氏(写真中央)

《編集部》

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