海外では初の700万台突破となったトヨタ
2012年に世界で500万台以上を販売した6企業グループのランキングをまとめた。東日本大震災やタイの洪水によって11年に大幅な減産を強いられた日本勢の販売が回復し、トヨタ自動車が2年ぶりにトップに戻った。
トヨタグループの販売は前年比23%増の975万台で、07年の937万台を上回り、5年ぶりに最高を更新した。北米や日本、東南アジアといった地域で強い回復力を示し、世界上位6グループでは最も高い伸びとなった。国内販売は35%増の241万台、海外は19%増の734万台だった。海外はトヨタ単体でも19%増の703万台と、初めて700万台に達している。
11年に4年ぶりのトップとなっていた米GM(ゼネラルモーターズ)は2位に後退、前年2位だった独VW(フォルクスワーゲン)は過去最高の販売を記録したものの、順位は3位になった。4~6位の企業は前年と同じだった。
■2012年の新車販売ランキング(500万台以上)
1位(3位):トヨタ…975万台(+23%)
2位(1位):GM…929万台(+3%)
3位(2位):VW…907万台(+11%)
4位(4位):ルノー・日産…749万台(+2%)
5位(5位):ヒュンダイ…710万台(+8%)
6位(6位):フォード…567万台(-1%)
*順位のカッコ内は前年、台数のカッコ内は前年比増減率。
◆米市場は力強い回復で金融危機の08年上回る
12年の新車販売は中国が4%増の1930万台と、4年連続で国別では最も大きい市場となった。ただ、伸び率は11年の3%をわずかに上回っただけで、2年続きの小幅成長だった。先進諸国では米国の回復が力強く、13%増の1449万台と3年連続で2ケタ増を確保した。リーマン・ショックの年で、需要が急速に冷え込んだ08年(1324万台)を上回った。
日本も大震災からの需要回復をエコカー補助金・同減税が後押しし、28%増の537万台と4年ぶりに500万台を突破した。一方で債務危機による景気の冷え込みが続く欧州はEUとEFTAの計31か国で8%減の1252万台と低迷した。
日産、中国の落ち込みを米国などでカバーし最高に
欧州市場の縮小で、ルノーやPSA(プジョーシトロエングループ)といった仏メーカーが苦戦するなか、3位のVWは日米や中国、南米といった地域で万遍なく販売を伸ばし、初めて900万台を突破した。逆にGMや6位のフォードモーターは、米国市場の回復があったものの欧州事業が悪化し、世界販売は伸び悩んだ。
ルノー・日産自動車連合は2%増の749万台と、4年連続でプラスを維持した。ルノーの落ち込みを過去最高だった日産がカバーした。日産は秋以降に、中国の販売にブレーキがかかったものの、米国、メキシコ、ブラジルなどで過去最高を達成、6%増の494万台だった。
一方でルノーは、6%減の255万台にとどまった。ルノー・日産は14年半ばまでに、ロシアのアフトワズの経営権を取得することになっている。アフトワズを加えた3社の12年販売は1%増の810万台となった。
韓国・ヒュンダイ自動車は、11年に初の600万台乗せとしていたが12年は710万台(8%増)と1年で大台を塗り替えた。日本勢が苦戦した中国などで着実にシェアを拡大した。ヒュンダイは7%増の439万台、傘下の起亜自動車は9%増の271万台だった。