【VW クロストゥーラン 試乗】SUV感覚の外観デザインとしっかりした走り…松下宏

試乗記 輸入車
VW・クロストゥーラン
VW・クロストゥーラン 全 15 枚 拡大写真

『トゥーラン』は『ゴルフ』のプラットホームをベースに3列シートを備えたミニバン。これにSUV感覚の外観デザインなどを持つモデルが追加され、『クロストゥーラン』と名付けられた。

クロストゥーランはゴルフトゥーランをベースにしつつ、外観デザインは明確に差別化されていて、専用の前後バンパー、ホイールハウス・エクステンション、ブラックサイドモール、サイドスカートなどによってSUV風の外観に仕上げられている。

この結果、ボディは全幅がわずかに拡大されて1800mmちょうどになったほか、専用のサスペンションによって最低地上高が10mm高くなったのに合わせ、全高も10mm高い1680mmになった。

最低地上高が上がったといっても145mmだから、特に悪路に強いクルマではなく、SUV風の雰囲気を持つクルマと考えたら良い。タイヤは17インチにアップされ、前輪が215/50、後輪が235/45という前後異サイズのタイヤが装着されている。

インテリアはシート地に専用のファブリックが採用され、カーナビが標準装備される。基本的な部分はゴルフトゥーランと共通であると考えていい。

搭載エンジンは1.4リッターの直噴インタークーラー付きターボ+スーパーチャージャーのツインチャージ仕様のTSIエンジンで、103kW/220N・mを発生する。これもベースのゴルフトゥーランと同じ仕様だ。ただ、重量も変わらないのに、タイヤの影響からか、燃費がリッター当たり15.0kmから14.0kmへとわずかに悪化した。

これのためエコカー減税もTSIコンフォートラインなどが75%低減なのに対し、クロストゥーランでは50%低減とやや条件が悪くなる。

ツインチャージのTSIエンジンは低速域からしっかりトルクを発生し、220N・mの最大トルクにはわずか1250回転で達する。ミニバンやSUVなど、車両重量の重いモデルに適したエンジンといえ、クロストゥーランのボディを軽快に走らせる。7速DSGとの組み合わせもまずまずで、もはや低速域でのギクシャク感もほとんど気にならなくなった。

最低地上高を高めた足回りは、標準車に比べるとちょっと硬めの乗り心地。今回の試乗は箱根の芦ノ湖スカイラインが中心。ワインディングを走らせても腰だかな感じを与えることなく、安定感のある走りを見せた。コーナーではそれなりにロールするが、緩やかな動きで不安は感じない。むしろ安定感の方が印象的だった。

クロストゥーランの価格はゴルフトゥーランの上級グレードであるTSIハイラインに対して割安感のある348万円の設定。カーナビやリヤビューカメラなどを装備しながらこの価格なのだから、ハイラインとの装備の違いを考慮しても十分に買い得な印象である。

今の時点でトゥーラインを買うなら、クロストゥーランが最もお勧めできる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. アルファロメオの新型SUV『ジュニア』日本発売に、「420万円はリーズナブル」「マジで美しい」など反響続々
  2. 「まさにアメリカンスポーツの最高到達点」1000馬力越えの『コルベット』にSNSも注目!コスパ最強ハイパーカー誕生か
  3. トヨタ車体、『アルファード』『ヴェルファイア』をトヨタ自動車に生産移管、いなべ工場は商用車専用に
  4. クーペSUVに進化! アルファロメオ『ステルヴィオ』次期型を完全プレビュー
  5. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る