【スバル フォレスター 試乗】泥道を走るという人はフォレスターに…岩貞るみこ

試乗記 国産車
スバル フォレスター
スバル フォレスター 全 6 枚 拡大写真

コンパクトな雰囲気が魅力だと思っていたのに、肥大化した『フォレスター』である。なんだよ、お前もアメリカ狙いかと怒りにも似た気分が押し寄せるものの、しかし、考えてみればスバルには『XV』もある。

ならば、キャラクターごとにしっかりスミ分けするのも当然の戦略か。街乗りコンパクトな4WDがお好みの方は、ぜひ、XVへ。ラクシャリーに行きたい方は、『アウトバック』へどうぞ。そして泥道を走るという人は、こちらのフォレスターなのである。

堂々としたフォレスター。走りも立派である。一番の売りは、新しく搭載された、Xモードだろう。これまでも4WDの性能については自信ありだったが、さらにXモードをつけることで、まさに磨きがかかった感じである。泥や土ですべる急勾配の道も、このXモードをオンにして走ると、見事なまでにタイヤが路面に食いつく具合を感じられる。すべるとか、空まわりするといった、オフロード素人がビビリまくる感覚がほとんどない。これは本当に感涙するほど頼もしい。

さらに、Xモードにつけられたヒル・ディセントコントロールも、坂の下りはじめでブレーキペダルから足を放すのにとんでもない勇気がいるものの、任せてしまえばクルマにブレーキングしてもらうほうが、よっぽど安心で確実。タイヤを無様にロックさせて、コントロールできない状態で滑り落ちるという失態がない。ありがたい。日本の道でこのような状況にはまることはめったにないものの、しかし、ひとつでも出くわせばそこから物理的、精神的に奈落の底に落ちるというのは、よくある話。なにごとも、もしものときの備えあれば憂いなし。とくにラフロード好きには、あって頼もしい装備であることは間違いない。

ときにラフロードを走る場合は、周囲の状況確認が勝敗を分けるというものだが、今回のフォレスターはそのあたりも意識して、ウィンドーのウエストラインを低く設定している。おかげで周囲が見やすく、怖さ感は半減している。こういう配慮も、ありがたい限りだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省 安全基準検討会検討員他、委員を兼任。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

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