2013年ダイヤ改正のポイント…近鉄・京阪・大阪市編[写真蔵]

鉄道 企業動向
京阪 8531F
京阪 8531F 全 26 枚 拡大写真

関西大手私鉄・公営交通でもこの3月にダイヤ改正が実施される。ここでは近鉄・京阪・大阪市のダイヤ改正の動きについて、日本の鉄道路線を全線完乗した小関秀彦氏(鉄道ジャーナリスト)に聞いた。

「関西の大手私鉄では、おもに近鉄と京阪で改正が実施されます。近鉄はことし、沿線の伊勢神宮で20年に一度の式年遷宮が行われることから、同社の改正は式年遷宮シフトともいえるほど、大がかりなものとなりました」(小関氏)

近鉄、3月17日実施。特急「しまかぜ」は3月21日デビュー。

「近鉄では、内部・八王子線、生駒鋼索線をのぞく全線でダイヤ変更が行われますが、最大の目玉である50000系「しまかぜ」のデビューは3月21日となります。50000系はバブル期のジョイフルトレインを彷彿とさせる豪華な内装・設備が魅力の新型特急型車両で、セミコンパートメントタイプのサロン車や、2階建て部分に眺望性抜群のカフェを設置したカフェ車など、これまでにない新サービスが用意されます。大阪難波~賢島間と近鉄名古屋~賢島間にそれぞれ1往復設定されますが、一部水曜日に運休することもあります」

既存の特急もおもに土休日で増発。

「そのほかの特急にも動きがあります。土休日ダイヤで宇治山田~賢島間の特急を3本増発するほか、平日ダイヤで早朝に設定されている桑名~大阪上本町間の列車が近鉄名古屋~大阪上本町間に拡大されます。また、土休日ダイヤでは伊勢市駅特急列車停車本数が4本増加し、同駅の利便性が向上します」

京阪、3月16日実施。データイムを中心に運行体系を再編。

「変更点は600V区間や男山ケーブルをのぞく京阪本線系統の全線におよんでいます。大きな変更点としては平日データイムの種別設定や運転区間の変更があげられます。現行は淀屋橋~樟葉間の急行が毎時4本、中之島~出町柳間の準急が2本ですが、改正後は淀屋橋~樟葉間の急行が3本、淀屋橋~出町柳間の準急が3本と変更されます。また、平日夜間では、18~19時台に淀屋橋発を出発する急行樟葉ゆき4本と準急樟葉ゆきが淀ゆきに変更されるほか、 淀屋橋発出町柳ゆきの特急の10分ヘッド運転時間帯がこれまでの22時から22時20分に繰り下げられます」

「また、改正内容とは別に、長年、京阪の屋台骨を背負った名車3000系(現8000系30番台)の最後の1編成が3月31日引退します(定期運用はすでに離脱)。この編成は京阪の名物サービス「テレビカー」(車端部にテレビモニターを設置し地上波のテレビ番組を放映する車両)を連結する最後の1編成で、この編成の引退をもって京阪「テレビカー」は42年間の歴史に幕を下ろすことになります」

大阪市交通局は終電の大幅繰り下げを実施。

「大阪市交通局は、3月23日にダイヤ改正を行います。今回の改正の最大の目玉は終電の時刻の大幅繰り下げです。谷町線は13分、中央線は20分、住之江線の西梅田方面行が20分、同住之江公園行が26分、御堂筋線の梅田→新大阪間も26分と軒並み繰り下がります。これまで大阪市交通局は、JRや私鉄と比べて終電が早かったのですが、今改正は“夜更かし族”にとっては朗報ではないでしょうか。大阪市の橋本市長は市交通局の民営化を目指していますが、今回の改正は民営化の布石といえるのかもしれません」と小関氏は話していた。

《レスポンス編集部》

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