排ガス後処理装置検討会、性能劣化する尿素SCRシステムの原因を特定…中間報告

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日野プロフィア用排出ガス浄化システム、DPR+尿素SCR(参考画像)
日野プロフィア用排出ガス浄化システム、DPR+尿素SCR(参考画像) 全 2 枚 拡大写真

国土交通省の排出ガス後処理装置検討会は、中間報告のとりまとめを公表した。

現在、ディーゼル重量車の排出ガス規制は、2009年規制が適用されており、世界で最高水準の規制が導入されているが、2009年規制以前に適用されていた2005年規制に適合した車両のうち、尿素SCRシステムを搭載した使用過程車は、環境省の調査結果から、システムの性能劣化でNOxの値が規制値を大幅に超過することが確認された。

このため、環境省と国土交通省が、研究機関に委嘱して、学識経験者などからなる「排出ガス後処理装置検討会」を設置し、原因の究明と対策を検討してきた。

中間報告では、尿素SCRシステムの性能低下の原因は、システムを構成する触媒に、未燃HC(炭化水素)が付着する「HC被毒」と特定した。

また、使用過程で性能が低下し、NOxの排出量が増大していた尿素SCRシステムを昇温したところ、性能に一定の回復が確認されたことから、同システムを400~500度、40分間程度、昇温することが有効であることを確認した。

車両の使用に伴って再びHC被毒が進行するため、車検の機会を利用して定期的に昇温することが望ましいと提言した。

検討会では今後、自動車メーカーが自主的に実施している性能劣化対策の有効性を検証していく。

また、尿素SCRシステムを構成する触媒のうち、「前段酸化触媒」は、昇温後も性能が回復しないことから、性能低下のメカニズムなどを引き続き調査・検討する。

原因究明の結果を踏まえた、新型車の型式認証時の排出ガス試験方法見直しを検討するほか、2009年規制適合車について、同様の性能低下が発生していないかの調査・検証も行う。

検討会では2013年度末までに最終とりまとめを行う予定。

《レスポンス編集部》

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