情報通信研究機構(NICT)は、大規模災害直後、孤立した地域を無線でつなぐ、小型無人飛行機を活用した中継システムを開発したと発表した。
同システムでは、孤立地域に簡易な地上局を設置し、小型無人飛行機により、その地上局周辺に無線LANによる通信サービスを提供することで、スマートフォンやパソコンなどを用いた被災状況の把握や安否確認など、被災を免れた地域との間の通信を迅速に確保することができるという。
地上局装置は三脚等を利用した軽量かつ簡易なもので、小型無人飛行機とともに車が使用できない場所であっても手軽に持ち運べ、また、小型無人飛行機は滑走路がなくても飛行させることができるため、ネットワークを迅速、簡便に構築することができる。
なお、小型無人飛行機1機で中継した場合には、4~5km程度の離れた地上の2地点を結ぶことが可能。また、2機同時に飛行させて2 機間を中継させることで、通信距離をさらに2km程度延ばすことができる。通信速度は500kbps程度まで可能で、最大通信可能時間は無人飛行機搭載バッテリの制約から1時間程度となる。