三菱重工と今治造船、LNG運搬船の設計・販売合弁会社を設立で合意

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三菱重工、次世代型LNG運搬船「さやえんどう」
三菱重工、次世代型LNG運搬船「さやえんどう」 全 1 枚 拡大写真

三菱重工業は、4月1日に今治造船とLNG(液化天然ガス)運搬船の設計・販売を手掛ける合弁会社「MI LNGカンパニー」を設立すると発表した。

世界的にLNG需要が高まっていることを背景に、新造LNG運搬船の大型商談が増加しているのに対応するために、まず国内で体制を整える。

三菱重工の技術開発力と今治造船のコスト競争力などを組み合わせ、両社の造船所を効率的に運用しながら、競争力の高いLNG運搬船を供給する。

MI LNGカンパニーの資本金は5000万円で、三菱重工が51%、今治造船が49%出資する。本社は東京都港区に置く。受注したLNG運搬船は、新会社が基本仕様などをまとめた後、三菱重工の長崎造船所、今治造船で建造する予定。

LNG運搬船の建造能力は両造船所合わせて年間8隻以上を確保し、ライバルである韓国などの大手造船会社と肩を並べて、LNG運搬船を大量に受注できる体制が整う。船型は、一般的な球形タンク方式のモス船や、メンブレン船に加え、モス方式を進化させ省エネ・運用性などを高めた三菱重工独自の高付加価値戦略製品「さやえんどう」型船まで幅広く建造できる強みを発揮する。

三菱重工はLNG運搬船では、1970年代から開発・建造を手掛けてきたパイオニアで、これまで42隻の引き渡し実績を持つ。今治造船は現在、新造船竣工量、売上高国内トップで、LNG運搬船も手掛ける国内有数の造船専業メーカー。

三菱重工は昨年5月に今治造船とコンテナ船に関する技術提携協定を締結し、昨年7月には今治造船に甲板機械の製造・販売権を供与するライセンス契約も締結した。昨年10月には両社共同で、日本郵船向けに省エネ性能などに優れた次世代型自動車運搬船2隻を受注するなど、両社の協調関係は緊密化しており、今回の協業で合意した。

東日本大震災に伴う原子力発電所の停止を受け、発電用燃料としてのLNGに対する需要が国内で増大している。また、米国のシェール革命により北米産LNGの世界市場でのシェア増大が見込まれ、供給元の拡大で輸送距離も伸びる傾向にある。こうしたLNG輸送量・距離の増大により、必要なLNG運搬船隻数も今後急激に増加が見込まれる。

三菱重工と今治造船は、合弁会社を通じてLNG運搬船に対する需要を幅広く掘り起こし、激化する市場競争において優位確保に力を入れていく。

《レスポンス編集部》

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