三菱自、リチウムイオンバッテリー不具合で関連EV・PHVを一時生産停止

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電池パックコンポーネントの構造
電池パックコンポーネントの構造 全 6 枚 拡大写真

三菱自動車は3月27日、納車前の『アウトランダーPHEV』に搭載しているリチウムイオン電池が過熱、電池セル・駆動用バッテリーパックの一部が溶損するという事象が発生したことを発表した。併せて水島製作所でのEV用バッテリーパックが発火元となった火災についても公表した。

アウトランダーPHEVの不具合については3月20日、関東三菱自動車販売の神奈川地域にて発生した。登録前の在庫車両を納車準備のため普通充電にて満充電状態にし、翌21日まで放置、車両を移動させようとしたところ車両が動かず異臭がしたため車両を確認した。結果、駆動用バッテリーパックの一部に溶損跡が確認された。

当該バッテリーはリチウムエナジージャパン製で、原因を確認したところ、搭載されている80セルのうち1つが過熱、周辺セルの溶損につながったことが分かった。バッテリーパックを除き車体に損傷はなかった。

今後は関連各社で原因究明にあたる。溶損の原因として電池製造ラインにおける不具合の可能性があるという。

これに関し、会見した三菱自動車の中尾龍吾取締役は「詳細はまだわからないが、製造過程で金属片が落ちたとか、変形したという類ではないか」と現状を説明した。

今回の事象発生を受けて、三菱自はアウトランダーPHEVオーナーに対し、外部充電及びチャージモードの利用を控えるよう、注意喚起している。

また、三菱水島製作所でのEVバッテリーパックの火災については、3月18日、EVバッテリーパック組み立て工場において、完成品検査のため充放電検査装置に接続し、充電中だった『i-MiEV』用16kWhバッテリーパック(リチウムイオン電池)1個が過熱、発煙し、約1時間後に発火した。

地元消防署の協力で鎮火。怪我人等はなかった。工場建屋、設備本体への被害もなかった。

火災の原因となったバッテリーは製造ラインにおいて工程の変更があり、工程変更に関連した不具合の可能性があるとして、原因の究明を進める。

アウトランダーPHEV、i-MiEVとも、問題のリチウムイオン電池はバッテリーパック、セルの形状は異なるが、基本設計は同じ。三菱自動車では、製造ラインの工程変更に伴い、不具合が発生した可能性があるとし、アウトランダーPHEVに関しては、内部短絡(ショート)の発生が見受けられるとしている。

問題のリチウムイオン電池については出荷を停止。これに伴い、アウトランダーPHEV、i-MiEVほか関連車両の生産、出荷、登録を一時停止する。

中尾取締役は「1~2週間での原因究明を考えている。なるべく早く生産を再開できるようにする」と話した。

《土屋篤司》

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