【フォード フォーカス 試乗】クイックレスポンスと落ち着き感を両立…岩貞るみ子

試乗記 輸入車
フォード・フォーカス「Sport」
フォード・フォーカス「Sport」 全 12 枚 拡大写真

『フォーカス』の悩みは、アメリカン・ブランドということだろう。フォードと聞けば、『マスタング』や『エクスプローラー』。「アメ車でしょ」と言われてしまって、いえ、確かにブランドはアメリカなんですけれど…もごもご。

しかし、その走りたるや、完全に欧州のしゃきーんとした乗り心地である。SUVの『クーガ』に乗ったときに、目からうろこがどばどば落ちるほど、そのびしっとした乗り心地にのけぞったけれど、このフォーカス、そのクーガのシャーシを使っているだけあって、走りたるや、完全にスポーティ系なのである。

共通してあるのは、サスペンションの独特な味付けだ。アクセルを踏んだとき、加速する前の踏ん張りがない。ぐっと沈み込んでから前にでるというあのタイムラグがほとんどないのである。踏む=進む。このリアルな動きの気持ちよさったらない。ハンドリングもしかり。今回は、先代よりもハンドルの動きをクイックに味付けたということだが、それもあいまって、まさに、切る=ノーズが向きをかえる。それでいて、不安がまったくないというのはどうしたことだろう。ふつう、これだけ動きがシビアだと、ハンドル操作に緊張感をもたらすものだが、それがない。安心して落ち着いて、それでいてシャープ。やるなあ、フォーカス。

そして先代で不評だったインテリアの質感のあまりのなさも、一新された。凹凸をうまくつけた攻撃的な雰囲気をかもし出すインテリアは、なかなかよろしい。シフトレバーの親指部分に、マニュアル操作のアップ&ダウンスイッチをつけたというのも、アイディアである。

新型という意味では、アイドリングストップがないというのが、時代に乗り切れていない感はあるものの、でも、ここまで楽しく走れるのなら、文句はないというものだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省 安全基準検討会検討員他、委員を兼任。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 快進撃のヤマハ、次は「親しみやすいスーパースポーツ」で勝負!?「鈴鹿8耐2025」注目の1台
  3. 中国マイクロEV『小馬』10万台を販売した「かわいいペット」戦略
  4. ホンダ『プレリュード』新型、インドネシアでは「オールブラック」なプロトタイプを初公開
  5. 「日本版より洒落てる」2026年モデルの米国版トヨタ『カローラ』発表に、日本のファンも注目
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る