国土交通省と農林水産省は、東日本大震災の教訓を踏まえ、「現場操作員の安全確保を最優先とした水門・陸閘などの操作を確実に実施できる管理体制」を構築すると発表した。
東日本大震災では、水門・陸閘などの現場操作員が多数犠牲となった。海岸に関係する両省は、この教訓を踏まえ、現場操作員の安全の確保を最優先とし、水門・陸閘等の操作を確実に実施できる管理体制を構築するため、今年1月に「水門・陸閘等の効果的な管理運用検討委員会」を設置し、検討してきた。
検討委員会は、操作従事者の安全確保を最優先とする効果的な管理運用に向けた水門・陸閘などの整備・管理のあり方に関する提言がまとめた。
提言では、現場操作員の危険時、安全最優先の退避ルールを明確化するとともに、水門・陸閘などの自動化・遠隔操作化の促進、管理委託のあり方など、7項目について、現状・課題と今後の取り組みの方向性が示された。
海岸関係省庁は、2004年12月に発生したインド洋大津波を受けて、2006年3月に「津波・高潮対策における水門・陸閘等管理システムガイドライン」を策定している。
両省は今回の検討委員会の中で一定の結論が得られた内容を反映させるため、ガイドラインを改訂した。改訂内容としては、現場操作員の安全確保が最優先であることを明確にするなど東日本大震災を踏まえた事項を追記、自動化・遠隔操作化などの参考事例を充実した。
今後、海岸関係省庁は、提言の内容について可能なものから取り組んでいくとともに、海岸管理者を始めとする市町村、現場操作員などに幅広くガイドラインを周知するなどして、水門・陸閘などの効果的な管理運用の普及に取り組んでいく。