ホンダ学園の入学式が4月8日、客船「ふじ丸」で行われた。今年入学する学生は247名、うち10名が女性で、最高齢者は26歳。それぞれが緊張した表情で入学式に臨んでいた。
同学園は1976年に創業者、本田宗一郎氏がこれまでにない学校をつくろうと創設。入学式の冒頭に挨拶した大木宏高校長も宗一郎氏の考え方を披露し、新入生らを激励した。
「宗一郎さんは、技術は人間に奉仕する一つの手段として考えていた。技術を生かすも殺すも人間次第であり、人の役に立ちたいという気持ちがあって初めて技術は生きる。したがって、技術を学ぶ前に人への思いやりを持ち、人間を尊重する心を持っていなければならない」
来賓として出席したホンダの山本芳春取締役専務執行役員も同様に宗一郎氏の言葉を引用。「自らの身体と頭脳によって、新しいものを創造していかない限り、進歩は止まる。自らの手によってオリジナリティをつくり出す者のみがこれからの社会に貢献できる」と新入生に具体的な夢や目標を持って行動するよう促した。
この宗一郎氏の精神は新入生だけでなく、今のホンダ社員ももう一度学ぶ必要があるかもしれない。というのも、ある中堅社員が嘆くように、創業の精神を忘れて仕事をしている人が少なくないからだ。そのため、ホンダでは社内LANを通じていつでも宗一郎氏の足跡や言葉を見られるようになっているそうだ。
いずれにしても、新入生にはこの宗一郎氏の考え方をいつまでも忘れないでいてもらいたいものだ。