2012年に倒産した企業、赤字比率が55.3%、約半数が債務超過…2012年東京商工リサーチ

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東京商工リサーチ、2012年に倒産した企業と生存企業の財務データを比較
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東京商工リサーチは、2012年に倒産した企業の財務データ分析調査結果をまとめた。それによると倒産した企業で赤字だった割合は55.3%だった。

調査は同社の財務データベースから2012年(1-12月)に倒産した企業の中から、3期連続の財務データがある678社を無作為に抽出して、既存の生存企業と比較した。

調査結果によると2012年に倒産した678社合計の総売上高は、1兆1085億8373万円で前期比1.5%減だった。このうち、減収だった企業は425社で全体の62.6%を占めた。

これに対し生存企業は、最新の売上高は前期比1.9%増で、増収企業の構成比が54.7%と過半数を占め、生存企業と倒産企業の業績の違いが鮮明になった。

678社の赤字企業率(当期純損失を計上した企業数の比率)は、55.3%で全体の約6割が赤字経営だった。倒産企業の赤字企業率は、前々期が50.4%、前期が47.9%、最新期が55.3%と上昇傾向をたどり、業績悪化に歯止めがかからない実態が浮き彫りとなった。

生存企業の赤字企業率は、前々期が31.5%、前期が29.2%、最新期が26.2%と、年々低下し、経営の持ち直しが見られた。

また、2012年に倒産した678社の借入依存度を示す有利子負債構成率(総資産に対する長短借入金、社債などの割合)は平均51.1%で、生存企業の平均30.5%と比べ高率だった。過大な有利子負債(過剰債務)が経営の重荷になって倒産するケースが多い。

678社の総資産額は、前期比11.9%減だった。生存企業の最新の総資産は同2.6%減で、倒産企業の減少が目立った。倒産企業は、現預金、売掛債権、在庫の減少、有形固定資産の売却などが総資産の減少につながったと見られる。

倒産した678社の自己資本比率(総資産に占める自己資本の割合)は平均15.2%だった。自己資本比率は企業の基礎体力や安全性を示す指標で、この比率が低いほど借入金などへの依存度が高く、比率のマイナスは債務超過を示す。生存企業の自己資本比率37.6%に比べて、倒産企業の財務内容の脆弱さが浮き彫りになった。

最新期での自己資本比率別の構成比を見ると、生存企業では、自己資本比率30%以上が全体の47.5%を占めたのに対し、倒産企業678社では全体の10.3%にとどまり、債務超過が48.3%(328社)で最も多かった。

経常利益率は、2012年に倒産した678社の平均がマイナス6.6%だった。生存企業が平均3.9%だったのに比べ、倒産企業の収益力が極めて低いことが分かる。倒産企業は、売上確保のための値引きなどによる利益率の低下や、多額の有利子負債を抱えて金利負担による収益圧迫で、利益率が低下したと見られる。

《レスポンス編集部》

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