英国の高級スポーツカーメーカー、アストンマーチンは4月12日、ドイツで5月に開催されるニュルブルクリンク24時間耐久レースに、『ラピードS』の水素燃料車で参戦すると発表した。
ラピードSは、3月のジュネーブモーターショー13で初公開。アストンマーチンの4ドアスポーツ、『ラピード』をベースに、さらなる高性能を追求した新グレード。そのハイライトは、強化されたエンジンだ。
排気量5935ccのV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンは、吸排気系のチューニングなどにより、最大出力558ps/6750rpmを発生。従来の477psに対して、81ps、率にして17%もパワーアップを実現する。
また、最大トルクは63.2kgm/5000rpmを獲得。従来の61.2kgmから、2kgmの上乗せだ。とくに低中速域でのトルクが引き上げられており、アイドリング状態で4kgm、2500-4000rpmで5kgmのトルク向上を果たす。
強化されたエンジンを得たラピードSは、0-100km/h加速4.9秒の実力。現行モデルの5.2秒に対して、0.3秒短縮した。最高速は305km/hに到達。内外装も専用デザインとなっており、新デザインのフロントグリルやトランクスポイラーが装備される。
ニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦するラピードSの水素燃料車は、エンジンをツインターボ化した上で、ガソリン、水素、その両方の3種類の燃料に対応させたのが特徴。350 barの圧縮水素タンクには、合計で3.5kgの水素を貯蔵。圧縮水素タンクは2個搭載され、ひとつは助手席、もうひとつはトランクにレイアウトした。
水素燃料車のメリットが、CO2排出量の削減。水素燃料使用時には、ゼロエミッション走行を実現する。アストンマーチンによると、ニュルブルクリンク24時間耐久レースに水素燃料車で参戦するのは、アストンマーチンが初という。