【鉄視点】四国で試運転中のフリーゲージトレイン…長崎新幹線を駆ける日は

鉄道 企業動向
予讃線で試運転を行なうフリーゲージトレイン(2013年4月) 
予讃線で試運転を行なうフリーゲージトレイン(2013年4月)  全 18 枚 拡大写真
標準軌(レール間隔1435mm)の新幹線と、狭軌(1067mm)の在来線の間を、直通運転できるフリーゲージトレイン(軌間可変電車)。青い車体の第二次試験車両(3両編成)は、現在、JR四国・予讃線の坂出~多度津の間で耐久走行試験を行っている。

フリーゲージトレインは、JR東日本のミニ新幹線(山形・秋田新幹線)などと同様、新幹線と在来線の間の直通運転を可能にさせる。ミニ新幹線は、在来線側のレール幅(軌間)を新幹線と同じ1435mmに改良(改軌)させて新幹線車両を走らせているが、フリーゲージトレインは車両側で軌間を変化させる(車輪の幅を変える)ことで新在直通を実現。地上設備に軌間変換装置を設ける必要があるが、ミニ新幹線と違い、線路・路盤などの大規模改良工事の軽減などが期待されている。

今後、このフリーゲージトレインは、九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)への導入が検討されている。新鳥栖~武雄温泉の間(約51km)は、在来線の線路・基盤を活用する方向で整備され、完成すると博多~長崎の間は1時間20分で結ばれ、現行の長崎線経由特急「かもめ」より所要時間を28分短縮すると想定されている。

この第二次試験車両は、日豊線での速度向上試験、山陽新幹線新下関基地内での軌間変換試験などを経て、予讃線で性能確認試験・曲線通過性能試験などが繰り返され、現在、耐久走行試験を行っている。

4月、宇多津駅付近の高架区間では、時速100kmを超えるスピードで駆け抜ける姿が見られた。折り返し準備を行う多度津駅での十数分間の停車では、試運転関係者などの動きもなく、静かに再び坂出へと向かって駆けていく。既報のとおり、試運転は4月26日まで行われ、ゴールデンウィーク中は運休するという。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. メルセデスベンツ『Cクラス』次期型を予告、光る大型グリル採用…初のEVも設定へ
  2. 「妄想が現実になった」トヨタがAE86のエンジン部品を発売へ…「復刻だけじゃない」その内容に驚きの声
  3. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  4. 【ジープ レネゲード eハイブリッド 新型試乗】レネゲード、ここにいよいよ極まれり…島崎七生人
  5. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る