フェラーリ・ジャパン最大のイベント「フェラーリ レーシングデイズ2013」が4月19日~21日、鈴鹿サーキットで開催された。フェラーリ・ジャパンプレジデント&CEOのハーバート・アプルロス氏に、同イベント開催の狙いなどについて聞いた。
---:フェラーリ レーシングデイズ開催の狙いをお聞かせください。
まずフェラーリのお客様と接点を作るということ。そしてそのフェラーリのDNAでもあるレースを通じてお客様とひとつになることを目的としています。そしてフェラーリオーナーのみならず、フェラーリファンにもフェラーリの世界観を味わっていただきたい。そのためにフェラーリ・レーシング・デイズは、プロダクト、アクセサリー、認定中古車、テーラーメイド、ファイナンシャル、チャレンジレースなど、フェラーリが展開しているすべてのサービスが一箇所に集まっています。
---:テーラーメイドサービスについて詳しく教えてください。
昨年から始まったオーダーメイドプログラムです。インテリアカラー、アクセサリー、素材などすべてのディテールをお客様自身でご自由に選ぶことができます。まるでオーダーメイドのスーツを仕立てるように、趣味や趣向を、ライフスタイルに合わせて最高のカスタマイズを提供します。日本のお客様は非常にディテールにこだわる方が多いので、人気が出るものと期待しています。
---:フェラーリ・レーシング・デイズ一番の見どころとはどこですか。
まずフェラーリ・チャレンジです。今回はゲストドライバーとして小林可夢偉選手に走っていただきます。レーシングコース以外では『288GTO』『F40』『F50』『エンツォ』、歴代フェラーリのなかでも特に希少なスーパーカーが集まりますので、それも見どころです。
---:現在、日本市場をどのようにみていますか。
2012年は、過去12年間で最も売り上げが伸びた年でした。特に昨年9月以降は市場としても安定してきているので、フェラーリとしても日本はかなり重要なマーケットのひとつとして認識しています。
---:中国の勢いが目立ちますが、それ以外で期待できる国はありますか。
パーセンテージという点で、オーストラリアとニュージーランドですね。私自身、ちょうどオーストラリアとニュージーランドでのビジネスを始めたところで、今後は二桁の伸び率を期待しています。
---:自動車業界は今、ダウンサイジングという流れがありますが、フェラーリもその波に乗っていくと思いますか。
ダウンサイジングを特に意識した戦略はありませんが、軽量化すること、効率化することという意味ではそれに当たるかもしれません。技術面でフェラーリは、リーダーとしていろいろな技術革新を達成してきました。例えばアルミニウムやカーボンファイバーの積極的な採用。これは今突然起きたことではなくて、長年やってきたことです。『458イタリア』は従来の8気筒モデルに比べて25%効率化され、二酸化炭素の排出量も減っているという結果が出ています。
---:フェラーリ初の市販ハイブリッド車『ラ・フェラーリ』が登場しましたが、今後、ハイブリッド戦略というのはあるのでしょうか。
それはどうでしょう。今はっきりとは申し上げられないですが、ご存知の通りF1の技術というのは、60年前からフェラーリのロードカーにも導入されているので、「HY-KERS(ハイ・カーズ=ハイブリッド・システム)」の技術が、どんどんロードカーに取り入れられていくというのは考えられます。
---:新規ユーザーを開拓していく戦略はありますか。
今後はフェラーリファイナンシャルサービスを展開します。フェラーリを購入するにあたって、これまで障害になってきたファイナンスの部分のサポートし、特別なパッケージを提供します。ラインナップだとカリフォルニアですね。利便性に富み、日常で気軽に扱えるところが受けました。2012年のカリフォルニアを購入された日本のお客様の68%が新規のお客様でした。