【インタビュー】日本市場の意見で品質改善へ…ルノー・スポール パトリス・ラティ チェアマン

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ルノー・スポールテクノロジーズ チェアマンのパトリス・ラティ氏
ルノー・スポールテクノロジーズ チェアマンのパトリス・ラティ氏 全 6 枚 拡大写真

ルノー・スポールテクノロジーズ社は、鈴鹿サーキット及び日本の一般道において、ヨーロッパ以外では初めてテストを行った。そのテストには、同社のチェアマンである、パトリス・ラティ氏も同行した。

---:これまでどのような仕事をしてきましたか。

ラティ氏(以下敬称略):最初は、アメリカでトラックのためにブレーキの開発をしていました。その後、アルファロメオのF1に関する仕事に携わり、ルノーに移ったのです。実は日本へは過去にも来たことがあります。ゴーン氏が日産とアライアンスを結ぶ時に一緒に来たのです。その後、ルノーメキシコのアライアンスの際にも、日本人といろいろ仕事をしました。子供の頃にF1を見て以来、その世界がとても魅力的に映り、ずっとF1の仕事をしたかったのです。つまり、いまはとても理想的な仕事をしています。

---:開発に関して、日本市場を意識したことはありますか。

ラティ:これまで日本市場を意識して開発したことはありません。世界に向けて開発をしており、日本に特化した開発はしていないのです。ただし、これはボリュームに関することです。例えば、400台から500台程度の台数が見込めれば、限定車や日本のためのスペシャルスペックを開発することが出来ます。実は、日本からのコメントが、改善のポイントになっていることがあります。特に品質に関してはポイントです。日本はクルマ好きが多い国ですから、とても期待しています。

---:昨年のパリモーターショーでワールドプレミアを果たし、3月15日にフランスでデリバリーが開始された新型の『ルーテシアRS』について教えてください。ルノー・スポールテクノロジー社として大きく特徴を挙げるとすればどんなことでしょう。

ラティ:ルーテシアRSの特徴は2つあります。まずデュアルクラッチとエンジンのマッチングがとても良いことです。次に、(RSドライブプログラムで)ノーマル、スポーツ、レースの3つのモードが選択できることがあります。これは、シフトタイミングだけではなく、ステアリングの重さや、スロットルレスポンスが変化します。さらに、サスペンションもラリーから得たノウハウを使っており、これらのことから、サーキットでは、先代よりも確実にタイムを縮めることが出来るでしょう。日本で走っても、サスペンションのセッティングを含め、とても良く合い、楽しく走ることが出来ると確信しています。

---:最後に普段乗っているクルマと、好きなクルマを教えてください。

ラティ氏:普段は『メガーヌRS』です。好きなクルマは『A110』。でも運転しにくいみたいですね(笑)。メガーヌRSの方が運転しやすいです。ルノー・スポールとしては運転しやすいことはとても大事なことです。また、安全も重要視しています。世の中には自分が上手だと思っている人は多いのですが、本当にうまい人は少ないですからね。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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