上海ショーのシトロエン・ブースに展示されたのは“Cライン”の車種だけ。『DS3』、『DS4』、『DS5』の“DSライン”の姿はなかった。
背景は提携関係だ。PSAは中国で東風汽車と合弁を組んでCライン系車種の生産・販売してきたが、DSラインの導入に伴って2つ目の合弁相手に長安汽車を選ぶと共に、DS専売の販売網も築き始めている。そこで今回のショーからCラインとDSラインでブースを分けたというわけだ。
東風シトロエンとPSAが共同出展したシトロエン・ブースでは、『C4L』がワールドプレミアした。ハッチバックの『C4』をベースにホイールベースを延ばし、トランクを加えたセダン。中国市場では後席の広いノッチバックが好まれるため、そのニーズに応えて上海のPSAテクニカルセンターがデザインした。中国とロシアで生産するという。
もうひとつ、C4Lよりひと回りコンパクトなセダンの新型『C-エリゼ』も中国デビュー。従来のC-エリゼは古い『ZX』ベースだったが、新型はプジョー『301』の姉妹車に生まれ変わった。ダブルシェブロンを配したフロントマスクやDS4風のレリーフラインを入れたフロントフェンダーなどで、『301』と差異化している。すでに南米で販売されているが、中国ではもちろん現地生産となる。
3月にジュネーブでデビューしたコンセプトカーの『テクノスペース』も、このブースの目玉のひとつ。この量産版である新型『C4ピカソ』はすでに4月2日にパリで発表されているのだが、やはり「ものには順序」で、まずはコンセプトカーを中国で初披露したというわけである。