【SUPER GT 第2戦】GT300は終盤に波乱、プリウスの新田&嵯峨が大逆転優勝を飾る

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GT300クラス優勝の#31 Panasonic apr PRIUS GT。写真:TOYOTA
GT300クラス優勝の#31 Panasonic apr PRIUS GT。写真:TOYOTA 全 12 枚 拡大写真

SUPER GT第2戦・富士500kmレースのGT300クラスでは、#31 Panasonic apr PRIUS GTの新田守男&嵯峨宏紀(タイヤはヨコハマ)が優勝。ハイブリッド車によるGT300初優勝を遂げている。

レースを支配したのは、やはりハイブリッド車である#16 MUGEN CR-Z GTの武藤英紀&中山友貴(ブリヂストン)だったが、#31 プリウスに40秒差をつけて独走していたレース終盤、タイヤがコース上に散らばるタイヤカスの大きめなものを拾ってしまったらしく、「ひどいバイブレーションが発生して、ドライブするのが難しいくらいの状況になった」(武藤)。そのため、緊急ピットインしてタイヤ交換。#16 CR-Zがコースに戻ると、局面は#31 プリウスが約16秒先行と変わっていた。そのまま新田が逃げ切り、ハイブリッド車初優勝の栄誉を手にしたのである。

ハイブリッド車とひとくくりにはできないくらい、両車の素性は異なるが、昨年から展開されてきたハイブリッド初優勝を目指してのトヨタ対ホンダ宿命の対決は、トヨタ・プリウスに凱歌が上がった。「幸運の女神が僕たちの方を向いてくれた」と新田は言う。

嵯峨も「流れのいい週末ではなかったが、終わってみたらこの位置にいました。奇跡に近いと思います」と話す。「正直、勝てる可能性は薄いと思っていたけど、『チャンスが拾えたら』とガムシャラにプッシュし続けた」という新田の踏ん張りが幸運を呼び込んだ。そして両者は、勝ちこそしたが「CR-Zの安定した速さは驚異的」と、ライバルのスピードに舌を巻く。「今日は勝ったけど、まだ、課題はたくさんあると思う」(新田)。今回勝ったことで、次戦はウエイトハンデもきつくなる。だが、それでも「戦闘力を高く維持することはできると思います」(嵯峨)という手応えがあるのも事実だ。だから「次のセパン戦では暑さもハイブリッドにとって難敵ですけど、そこで頑張って、連勝できたらいいと思います」(新田)と、先への展望も拓ける。今後もCR-Zとの対決には注目が集まることだろう。

ポール発進の#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(山野哲也&佐々木孝太/ミシュラン)は駆動系と思われるトラブルで序盤リタイア。決勝3位には#86クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3(ガイヤルドLP600+/山西康司&細川慎弥&坂本雄也/ヨコハマ)が入った。開幕ウイナーの#11 GAINER DIXCEL SLS(メルセデスSLS AMG/平中克幸&B.ビルドハイム/ダンロップ)は6位。

次戦は6月15~16日のマレーシア・セパン戦。なお、この日の定例会見での坂東正明GTA代表の話によると、来季以降のセパン戦に関しては“見直し”の方向にある模様だ。逆に、タイでのシリーズ戦開催を来季にも実現したい方向のよう。また、開催延期が発表済みの韓国大会(シリーズ外)については、朝鮮半島情勢が主因ではなく、開催条件を巡る現地主催者サイドとの各種調整努力が5月開催実現には至らなかったための延期であることも、坂東代表の口から語られている(延期開催の実現はかなり先のことになりそうな雰囲気)。

今季の国内でのSUPER GT次戦は、セパン戦を挟み、7月27~28日の宮城県・スポーツランドSUGO戦(第4戦)となる。

《遠藤俊幸》

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