第13回総選挙でナジブ・ラザク首相率いる与党連合・国民戦線(BN)が勝利したが、下院(定数222)で133議席を獲得し、過半数を維持した。
ケダ州ではBNが大幅な勝利をおさめ政権を奪還したが野党が勢いを見せ、与党人気の下降傾向が鮮明化となった。
ナジブ・ラザク首相は、今回の総選挙では華人票の多くがアンワル・イブラヒム元副首相が率いる野党連合・人民同盟(PR)に流れた件に関して、「華人の津波」と表現し、野党の公約を信じて彼らに票を投じたと見られると指摘。人種的な感情もあると加えたうえで、当初の予想より多くの票が野党に集まったことを認める発言をした。
一方で、ニューヨーク州立大学のメレディス・ワイス准教授は「ファイナンシャル・タイムズ」に対して、マレーシアでは民族別ではなく、社会経済的な格差が広がりつつあると指摘。富の配分は不公平であり、今回の選挙で多くの票が野党に流れた背景となっていると述べた。