【GARMIN nuvi 2595V インプレ前編】地図更新3年間無料で商品力を強化した世界仕様PND

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GARMIN nuvi 2595V
GARMIN nuvi 2595V 全 21 枚 拡大写真

積極的な製品展開を続けるGARMINのPND(ポータブルナビ)「nuvi(ヌヴィ)」シリーズに、最新モデル3機種が登場した。いずれも従来モデルの美点を継承しつつ、最大の特徴として3年間の地図更新無料サービスを付帯させてきた。今回はこの3機種から、最もハイスペックな「nuvi 2595V」を紹介しよう。

◆地図データは昭文社製に変更、ついにPNDにも地図更新無料の波

新たに発売された3機種は本体サイズやディスプレイサイズ、基本スペックが同じで、最も低価格な「nuvi2590」がメモリ4GB、中間の「nuvi2592」がメモリ8GB、そして今回紹介する「nuvi2595V」が8GBのメモリに加えてFM-VICS対応となっている。以前は兄弟モデルを出す場合、ワンセグの有無で差をつけることが多かったが、今回の3機種はすべてワンセグを搭載している。

いずれのモデルにも共通する新しい特徴は、ソフトウエア面にある。まず、地図データの更新が3年間に渡って無料で提供されるサービスが付帯。これはPNDに限らず最近のカーナビが次々に採用しているサービスで、GARMINもこの流れに沿った製品の強化を行ったといえるだろう。ありていに言えば、このサービスは常に最新の地図が使えることが当たり前になっているスマートフォンのマップアプリやナビアプリに対抗するためといえる。しかし、理由はどうあれ、2万円近い価格の地図データを購入する必要がなくなったのは大変なメリットだ。地図データの更新はnuvi 2595Vをケーブルでパソコンに接続して、GARMIN社サーバーからダウンロードするという方法になっている。また、地図データの更新は3年間で2回予定されている。

その地図データにも大きな変更があった。従来はゼンリン製のデータを使用した「日本詳細道路地図 シティナビゲーター」が使われていたが、本モデルでは昭文社の「MAPPLEデジタルデータ 2013年版」が内蔵されている。そう、多くの人にお馴染みのあのマップルの地図をnuviシリーズでも使えるようになったのだ。また、この変更に伴ってこれまでは対応していなかった市街地の詳細図が表示できるようになり、一方通行や建物の形状もよく分かるようになった。さらに、「まっぷるマガジン」約100冊分の観光ガイド情報も内蔵され、観光施設などの詳細なデータを調べることができる。

◆見慣れたボディとクレードル

今回発売された3機種はいずれも同じボディを採用している。その詳細から紹介していこう。ディスプレイは5インチで、本体サイズは高さ83ミリ、幅137ミリ、厚さ15ミリ、重量190グラム。nuviシリーズとしては標準的な大きさ、重さといっていい。PND全般から見てもごく一般的なサイズだ。内蔵するバッテリーで2時間の駆動が可能で、ボタンがひとつしか無いシンプルなボディも従来通り。硬質ゴムのような独特の質感も継承されている。

つまり、いつものnuviシリーズのモデルそのものだということ。nuviシリーズを使ったことがある人ならすぐ手に馴染むだろうし、使ったことがない人なら国産の家電品とはまったく違ったそのテイストに新鮮な驚きを覚えるだろう。

ダッシュボードに固定するためのクレードルも従来通りだ。吸盤タイプだが、国産メーカーで一般的なゲルタイプの吸盤ではないので、ダッシュボードに直接貼り付けることはできない。片側が粘着テープになった樹脂製の円盤が付属しているので、これをダッシュボードに貼り付け、その上にクレードルを吸盤で貼り付けるという固定方法になる。

本機はGPSレシーバーを内蔵しており、これで現在位置を側位する。車内への取り付け時に接続する必要があるのは、シガーソケットに差し込む電源ケーブルだけだ。ただし、本機はFM-VICSに対応しているため、電源ケーブルの途中にアンテナを接続するボックスがあり、ここに付属のアンテナケーブルを接続する。アンテナケーブルを目立たないように取り回すのはちょっと面倒だが、見た目にこだわらないのであれば、アンテナケーブルをそのままダッシュボード上に放りだしておくだけでも支障はない。

◆100冊分のガイドブック収録でコンテンツ強化

実際に使ってみた。起動すると地図画面ではなくメインメニューが表示される。国産のナビを使っている人はちょっと違和感を覚えるかもしれないが、nuviシリーズは一貫してこのスタイルを貫いており、メインメニューのデザインも従来とまったく同じだ。基本的な使い方としては、最初に「目的地検索」をタップして目的地を設定し、ルートガイドをさせる。

目的地の検索方法は名前、住所、電話番号、ジャンル別など、ごく一般的なものだ。文字入力など複雑になりがちな操作がよくできており、軽快に入力できるのは本機の美点といえる。これは、これまでに過去のモデルで改良されてきたインターフェースの完成度が高いためだ。GARMINはアメリカの企業だが、日本での発売にあたって行われるソフトウエアのローカライズは非常にレベルが高い。

目的地検索のうち、ジャンル別検索は周辺検索を兼ねる。しかも現在地の周辺だけではなく、指定した好きな場所の周辺を検索することが可能だ。また、当然ながら目的地として自宅を登録する機能があるのだが、自宅と同じようにオフィスの登録ができる。どちらの機能もちょっとしたことだが、かゆいところに手が届く気の利いた機能だ。

さらに、本機の特徴としてガイドブック「まっぷるマガジン」から目的地を検索することもできる。ガイドブックは都道府県別に分類されており、「都道府県」-「カテゴリー」というように探す。例えば「愛知県」の「史跡」といった具合だ。もちろんキーワードで検索することもできる。また、登録されているスポットのデータは場所だけでなく、営業時間、電話番号、写真、簡単ながら解説文も収録されている。旅行の計画を立てるのにも役立つし、ドライブに行った先で時間が空いた時に近くにある観光スポットを探すのにも使えるだろう。

《山田正昭》

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