白いボディのボンネットに「Shell」のロゴ。赤・青・紺・黄色のPEUGEOT TALBOT SPORTカラー。
1984年にデビューしてわずか3戦目から3連勝するなど、ラリー界の新時代を切り開いたライオンの姿に魅了された人たちの多くは、すでに酸いも甘いも知り尽くした大人になっている。
ラリーでの活躍に比例して大ヒットとなった205シリーズの中で、とくに人気を集めたスポーティモデルの『205GTi』をルーツとする最新モデル、『208GTi』は、そうした人たちの成長に合わせるかのように、とても上質でプレミアム性の高いスポーティモデルに仕上がっていた。
通常の208が1.6リットルで120~156psのところ、208GTiは1.6リットル直噴ツインスクロールターボエンジン+6MTで、200ps/276Nmの大盤振る舞い。
フランス・ニースの山道や高速道路を走ってみると、60km/hくらいの街乗りではとても穏やかで、のんびりと快適に走れる一方、高速道路でひと踏みした途端には刺激的な加速にシビレることもできる。
207RC比で約90kgの軽量化や、GTi専用の足まわり、リヤクロスメンバーの剛性強化などによって、カーブを抜ける時の動物的な身のこなしもプジョーらしい魅力だ。
外観やインテリアはクロームシルバーとレッドラインがセンスよく効いていて、単なるスポーティとは別格の存在感。
昔の熱い気持ちを持ちつつも、ヤンチャに走ってばかりいられない大人たちには、理想的なクルマが208GTiではないだろうか。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト
映画声優、自動車雑誌『ティーポ(Tipo )』編集者を経て、カーライフ・ジャーナリストとして独立。現在は雑誌・ウェブサイト・ラジオ・トークショーなどに出演・寄稿する他、セーフティ&エコドライブのインストラクターも務める。04年・05年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。13年3月に女性のパワーでクルマ社会を元気にするネットワーク「ピンク・ホイール・プロジェクト(PWP)」を立ち上げ、活動を開始したばかり。日本カー・オブ・ザ・イヤー(2005-2013等)選考委員、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)理事。Ustream番組『ピンクホイールTV』出演、公式ブログ『運転席DEナマトーク!』『恋とクルマと女と男』他アップ中。