【フィアット パンダ 試乗】劇的によくなった乗り心地…島崎七生人

試乗記 輸入車
フィアット・パンダ
フィアット・パンダ 全 20 枚 拡大写真

2300mmのホイールベースは先代(や『フィアット500』)と同じ。骨格などチラ見した限り「ビッグマイナー版でしょ!?」と思えた。が、走らせて“生まれ変わったこと”を実感させられた。

驚いたのは劇的によくなった乗り味だ。あのヒョコヒョコとしたピッチングが見事に消え、格段になめらかでフラットな乗り心地になった。段差の通過もスッ!と穏やかなバウンジングで収める。15インチタイヤも『フィアット500』より履きこなした印象。覗くとリヤのトーションビーム内にスタビライザーは入っていない。とすれば、ダンパー、スプリングの設定が根本から見直され、ボディの強化も好影響したのだろう。乗員の頭が揺さぶられず、高めの着座位置も気にならなくなった。街中など快適だし、首都高のループを高速で駆け抜けても、安定感の高さもしっかり確保されている。

おなじみの2気筒875ccツインエア+5速デュアロジックは、出力特性が穏やかになり、シフトチェンジの所要時間も幾分か短縮された。なので、より普通にスムースな走りが可能に。もちろんモードを切り替えれば、バビューン!と、瞬発力を生かした加速も味わえる。通常走行時の静かさ、振動の小ささも十分。

ステアリングまで“カド丸の四角”をモチーフにした室内は、少しゆとりが増した。とくに後席でその恩恵を実感できる。インパネの樹脂部品のフチに“バリ”が見つかったりと、冷静に観察すると上質感はまあまあといったところ。

けれど、ドアトリム(やダッシュ上面)にPANDAの英字をパターン化したシボを採用するなどするのがユニーク。こうしたポップな『パンダ』(フィアット)らしいセンスが日々楽しめることが大事だ。乗車定員が5名に増えた点も見落とせない。スタイルも、なかなか“こなれた”印象だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
  2. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  3. リトラと決別した「ワイルド・キャット」、3代目ホンダ『プレリュード』【懐かしのカーカタログ】
  4. 世界初の「破壊不可能ホイール」って何だ!? テスラ向けパーツ手掛ける米メーカーが開発
  5. 旧型Z34『フェアレディZ』用車高調がリニューアル、ブリッツ「DAMPER ZZ-R」シリーズがDSC Plusに対応
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る