HPD(ホンダ・パフォーマンス・テクノロジー)はHPDテック・センターをインディアナポリスに隣接したブラウンズバーグにオープンした。
ここにはF1以外ではめったにお目に掛かれない高度なドライビング・シミュレーターが置かれる。
この「ドライバー・イン・ザ・ループ」シミュレーターの技術はHPDのスポーツカー・レーシング・プログラムでは既に2007年から使われており、数々の成功を収めてきた。
HPDはそれをインディカーの聖地、アメリカ中西部へと持ち込んだのだ。広範囲に渡るテスト・プログラムにシミュレーターを使うことによってチームは時間とお金の両方をセーブ出来るようになるという。
数々のレース・トラックの情報がインプットしてあり、シャシーのジオメトリーやトラック・コンディションはクイックに変えることが出来る。これによりドライバーのトレーニング、育成、エンジニアとのチームワーク強化、マシン・セッティング等、幅広く活用できるという。ホンダ・エンジンを使うチームなら利用できるそうだ。
この日は実際にスコット・ディクソンが乗り込み、実演して見せてくれた。
コクピットは揺さぶられ、ドライバーにはGフォースが掛かる。オペレーション・ルームにはディクソンからの「アンダーステアが強いのでウェイト・ジャッカーを調整する」という声が響く。
スロットル全開のままインディアナポリスのターン1へ232マイル/hで飛び込む映像が見られた。テレビゲームと現実の境界はついになくなったようだ。
この最新式のシミュレーターは2012年の夏から作り始め、この5月始めからオペレーションを始めたという。HPDはカリフォルニアのサンタ・クラリタで操業を開始して今年で20周年を迎える。この記念すべき年にインディ500・10連勝を飾ることが出来るか。