JR西日本、「さらに折れにくい遮断棒」開発…踏切の折損事故が4分の1に

鉄道 テクノロジー
「さらに折れにくい遮断棒」の構造。先端部と中間部との間に屈折ユニットを設けるなどして折損対策を強化した。
「さらに折れにくい遮断棒」の構造。先端部と中間部との間に屈折ユニットを設けるなどして折損対策を強化した。 全 2 枚 拡大写真

JR西日本はこのほど、踏切遮断棒の折損事故対策として「さらに折れにくい遮断棒」を開発し、その効果を確認したと発表した。6カ所の踏切に設置したところ、折損事故が約4分の1に減少した。

同社は2010年度から「折れにくい遮断棒」の導入を進めてきた。遮断棒の折損は全体の約6割が先端部分であることから、先端部にスリットを設けた。その結果、踏切遮断棒の折損件数はピーク時の約3300件に対し、現在は3分の1の1100件台に減少している。とくに近畿圏では「折れにくい遮断棒」を導入した踏切656カ所で、折損件数が2010年度の821件から2012年度には350件台と半分以下に減った。

しかし、依然として踏切遮断棒の折損が相次いでいることから、同社は先端部だけでなく中間部や根元部への対策も必要であると判断。「さらに折れにくい遮断棒」を開発した。

「さらに折れにくい遮断棒」は、遮断棒中間部の折損対策として、先端部との間に「屈折ユニット」を設け、その手前に「高強度遮断棒」を設けた。根元部も、押されると斜め上方に可動する「折損防止器」を組み合わせ、遮断棒を斜め上方に逃がすことで折損を防止する。

2012年夏から6カ所の踏切に試験的に導入したところ、2011年度の折損が6カ所全体で41件だったのに対し、2012年夏から今年3月末までの折損件数は7件。1年間の換算では9.6件で、約4分の1程度に減少した。JR西日本は「さらに折れにくい遮断棒」の効果が確認できたとし、今後もこうした施策を講じて折損事故対策を強化していく方針。

《レスポンス編集部》

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