OVECという組織をご存じだろうか。おかやま次世代自動車技術研究開発センターの略で、岡山県の部品メーカー16社が集まって結成された組織だ。今回、試作開発車両「OVEC-ONE」の披露を兼ねて初出展した。
「三菱自動車の『ギャラン・フォルティス』をベースにして開発したEV車ですが、さまざまなところに部品メーカーが提案したものが搭載されています」と岡山県産業労働部の関係者は説明する。
例えば、インホイールモータ。汎用性を高めるため、16インチホイールまで装着可能な最外径で、ストラット式サスペンションが成立可能な薄型構造にした。このような最適設計をすることによって、高トルクでかつ滑らかな回転を実現することができたそうだ。
そのほか、太陽発電地を組み込んだCFRPルーフ、車両運動制御システム、インバータ、ブレーキシステムなど合計11の新開発部品が搭載されているそうだ。文字通り、部品メーカーが自分の得意分野を持ち寄って試作開発車両を完成させたわけだ。
「おそらく今回のプロジェクトによって、部品メーカーはいろいろな意味で刺激を受けたと思います。そして、この経験を元に、岡山県の発展のために次世代自動車に求められる新技術や新製品の創出に努めてもらいたいと考えています」と岡山県産業労働部の関係者。この試作開発車両の回りには常に人が集まり、担当者が熱心に説明していた。