フィリップス製キセノンバルブにある「へそ」の謎

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フィリップスのキセノンバルブにはへそがある
フィリップスのキセノンバルブにはへそがある 全 2 枚 拡大写真

キセノンバルブとハロゲンバルブの違いはどこにあるだろうか。まず、名前が示すようにバルブの中に封入されるガスが違う。ハロゲンバルブにはフィラメントがありそれを発光させるが、キセノンバルブは電極の間に火花を飛ばして(アーク放電)発光させる。他にも消費電力が違うなどもあるが、両者のバルブの形状をみれば一目瞭然だろう。

【画像全2枚】

ハロゲンバルブはフィラメントを使ったいわゆる「電球」と同じ構造となっていて、電極は電球の下方向に2本出ている。これに対してガラス管の中で放電させるキセノンバルブは小さい蛍光灯のような管になっており、電極は放電管の両端に必要だ。

このようにバルブの種類の違いは発光原理や特性などからすぐにわかる。しかし、同じバルブの場合、メーカーの違いはどこで見分ければいいだろうか。通常は、パッケージの表示やソケット・マウント部分の刻印などで見分けることになるが、フィリップスのキセノンバルブについては、他社製品のものかどうか見分けるポイントがある。

それは「へそ」の有無である(写真参照)。フィリップスのアーヘン工場で作られるキセノンバルブには、製造工程で作られる穴の跡が下(ソケット側)に発見できる。フィリップスのキセノンバルブは、ドイツのアーヘン工場でしか製造されていないので、現在のところ同社のキセノンバルブには必ずこのへそがあることになる。

なぜ、このような跡が残るのだろうか。キセノンバルブはキセノンガスと色温度や明るさを調整するソルトと呼ばれる化学物質を封入した細い放電管(インナーチューブ)とそれを覆うガラス管(アウターチューブ)の2重構造になっているのだが、フィリップスの長年の開発・製造のノウハウの中で、インナーチューブとアウターチューブの間に特殊なガスを入れるとよいということを発見したそうだ。

そのため、製造工程の中にアウターチューブに穴をあけて特殊ガスを封入して、再びその穴をふさぐという作業が加わったという。写真のような「へそ」はそのときにできるものだ。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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