【フォード フォーカス 試乗】デザインと走りは素晴らしい、ただ価格が…青山尚暉

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フォードフォーカス
フォードフォーカス 全 10 枚 拡大写真

約6年間ぶりに日本市場に復活したフォード『フォーカス』は想像以上にいいクルマだった。

まずはデザインがいい。とにかくどこから見てもスタイリッシュだ。特にリヤコンビランプ、ボディーに溶け込んだフューエルリッドのデザインは秀逸だと思う。

日本仕様のパワーパッケージは2リットルNA+DTC=最新のデュアルクラッチの6速パワーシフト(2ペダルMT)のみ。ちなみに欧州には1リットル3気筒の直噴ターボも存在する。

安全装備は完ぺきだ。スバルのアイサイトのような「ぶつからないフォーカス?」的機能を持つシティーストップも完備。もっともアイドリングストップの設定はなく、JC08モード燃費は12.0km/リットルと振るわず。ちなみに欧州での直接的ライバルとなる新型ゴルフの日本仕様は最高21.0km/リットルである。

運転席に着座すれば、まずは極めて自然なドラポジが好ましい。ウインカーレバーは右側にあり、始めてステアリングを握っても戸惑うことなく走りだせる点もうれしい。

走りだせばエンジンは素晴らしくスムーズに、トルキーに回り、高回転まで回しても無粋な振動、ノイズとは無縁。DCTはVWのDSG並みの自然かつスムーズな変速をこなし、伸びやかに速度を上げていく。特に低中速域でのアクセルレスポンスは秀逸で、市街地での走りやすさも抜群だ。

乗り心地はスポーツサスを採用するためやや硬め。が、ダンパーは実に滑らかによく動き、段差越えや荒れた路面でも不快な突き上げ感など皆無。終始フラット感極まる乗り心地が.味わえる。しかも高速走行での直進安定感の良さと、レーンチェンジや山道でのミズスマシのようなリニアな動きを両立。ステアリングの効きは正確で、リヤの鉄壁な安定感の高さもあり、飛ばしても走りは本当に楽しく安全だ。

さらに驚かされるのが静粛性の高さ。クルージング中は高級サルーンのように静か。エンジンを4000回転+まで回しても不快なノイズは車内に侵入しない。また、アイドリングストップを備えていないものの、アイドリング中もエンジンは極めて静かでほぼ無振動だ。

と、燃費性能はともかく(高速道路70%、市街地30%の走行でエアコンを使用したときの実燃費は約7km/リットル)、デザイン、走りの良さ&質感、実は内外のライティングの演出が光るフォーカスだが、実用面では小回りが利かないのが難点。なんと最小回転半径は6.0m!このクラスは5m前後が普通である。また、2リットルエンジン搭載、マニアックな車種とはいえ、293万円の強気の価格設定はどうだろう。そして各種操作をボイスコマンドで行えても対応言語は英語のみ。まぁ、英語の勉強を始めるいいきっかけにはなるけれど…。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★
ペットフレンドリー度:★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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