ヘッドライト用レーザー光源の発光原理とは…フィリップスのエンジニアに聞く

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ダーク・ファンダーヘルゲン氏
ダーク・ファンダーヘルゲン氏 全 9 枚 拡大写真

フィリップスは、自動車ヘッドライトの光源としてレーザーの利用を考えており研究開発を行っている。しかし、一般にレーザー光線は可視光とは限らない。また単波長のレーザーの場合、単色またはスペクトラム成分を含まないため照明としての白色発光には向かないのではないかという疑問が残る。フィリップスはどのような原理でレーザー光源を開発しようとしているのだろうか。

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フィリップスでLEDの研究を行っているダーク・ファンダーヘルゲン氏にレーザー光源の原理について聞いた。ファンダーヘルゲン氏はベルギー ゲント大学の大学院でエレクトロニクスを学びフィリップスに入社したエンジニアである。

ファンダーヘルゲン氏はまず、「この技術はまだ研究の初期段階であり、実用化されるとしても2015年以降だろう」と前置きしつつ解説を始めた。確かにレーザー光源を照明用に白色に発光させるのは難しいが、Blu-rayなどにも利用されている青色のレーザーダイオードを使えば白色の光を得ることができると説明する。ただし当然ながら、照明に利用するためには、Blu-rayのピックアップのようなものではなく、もっと大出力のデバイスが必要とのことだ。

そして発光原理だが、青色のレーザー光線を「リモートフォスファー」と呼ばれる方法で発光させるという。リモートフォスファーとはレーザー光源の光をそのまま使うのではなく(LEDチップのダイに蛍光体を組み込むのではなく)回路基板上に蛍光体に置き、それにレーザー光線を照射して発光させる方式のことである。蛍光体の成分や組成によって白色の光を得ることができるそうだ。

あとはこの光を各種の光学系によって道路を照らすパターンを作り出す。レンズ、リフレクター、遮蔽板などの組み合わせによって、用途もいろいろ考えらえるとファンダーヘルゲン氏はいう。例えば、スポットライト、遠距離照射ビーム、動的ハイビーム制御などを例として挙げた。

照明光源としての基本原理は見えているようだが、ファンダーヘルゲン氏は、 「重要なのは実際にどのようなアプリケーションが考えられるかです。現状のLEDやHIDに比較して優位性のある用途や性能をいかに開発するかに現在取り組んでいます」と実用化へ向けての挑戦を語ってくれた。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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