東京メトロ、環境負荷低減の長期戦略を策定…副都心線開業翌年度の水準目指す

鉄道 企業動向
東京メトロの16000系。VVVFインバーターやPMSMなどの採用により消費電力を削減している。
東京メトロの16000系。VVVFインバーターやPMSMなどの採用により消費電力を削減している。 全 2 枚 拡大写真

東京地下鉄(東京メトロ)は6月19日、グループ長期環境戦略「みんなでECO.」を策定したと発表した。2020年度の鉄道事業におけるエネルギー使用量を、2009年度の実績より増やさないことを目指す。

東京メトロのエネルギー使用量は、副都心線が2008年6月に開業した2008年度が981万GJ、翌2009年度は998万GJ、2010年度は1025万GJと年々増え続けてきた。2011年度は東日本大震災に伴う節電と省エネにより918万GJまで減少したが、2012年度は972万GJまで上昇している。こうしたことから、現在の9路線が年間を通じて営業した最初の年度(2009年度)よりエネルギー消費量を増加させないことを目標とした。

この戦略では、自社のエネルギー使用量の低減と、鉄道利用の促進による東京の交通全体のエネルギー使用量の低減、沿線地域との連携による環境保全活動の三つを柱とした。自社のエネルギー使用量低減策としては、VVVFインバーター制御装置や電力回生ブレーキ、永久磁石同期モーター(PMSM)などを搭載した車両の導入を推進。銀座線や千代田線への新造車両の導入を引き続き進めるほか、丸ノ内線や半蔵門線でも既存の車両を改良する。

車両の車内や駅の構内では、消費電力量を約40%削減するLED照明を順次導入する。駅構内では2011年度から改良工事などに合わせて導入しており、車両も2012年度に銀座線1000系で本格採用して以降、新造車両の導入や既存車両の改良などに合わせて導入を進めている。各駅の案内看板や運賃表、駅名看板などのサインシステム、駅出入口のシンボルマーク、広告看板もLED内照式に更新して消費電力の削減を図る。

東西線西葛西~西船橋間の全ての地上駅に太陽光発電パネルを設置する「東西線ソーラー発電所計画」も、引き続き推進する。この計画による全8駅の合算最大出力は年間で約1メガワット(約100万kWh)。南砂町~西船橋間で消費される付帯用電力の11%に相当する。これにより年間463tの二酸化炭素(CO2)排出量の削減が可能になるとしている。

《レスポンス編集部》

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