【次世代 中国トヨタ 2013】中古車査定・流通もスマホ&タブレットで変える

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【次世代 中国トヨタ 2013】中古車査定・流通もスマホ&タブレットで変える
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自動車販売において、中古車の扱いかカギになる点は、日本も中国も変わりない。広汽トヨタでは、中古車の扱いを徹底的にIT化することで、中古車ビジネスの再構築を進行中である。そこで使われているのも、e-CRBである。

ここでは、広汽トヨタ第一店による中古車e-CRBのオペレーションについて見ていこう。

◆査定はiPod touchで簡単に、中古車流通にも本格的に取り組む

新車の商談中に、iPadを抱えた担当者がこう切り出す。

「今お持ちのお車の下取りをお望みですか。では、今すぐ担当者が査定いたしましょう」。日本なら良くある話だが、ここは中国。そうしたプロセスは一般的ではない。中古車店と新車販売店とで業態が分かれていて、一貫性の高いビジネスは行えてこなかったからだ。だが広汽トヨタ・第一店では、e-CRBの導入と共に、中古車査定と流通のシステムを整備し、より適切な販売サイクルの構築を試みている。

「買い取り」の軸となるのは、査定システムの構築だ。中古車査定の担当者はiPod touchを持ち、画面上の指定に従って査定を行っていく。ポイントとなる部分ではiPod touch内蔵のカメラで撮影を行い、同時にその記録を残す。そうしたチェック項目はe-CRB上に集約され、蓄積されたデータと照合の上、査定価格が決定される。

こうした中古査定システム自身は、すでに日本の中古車ディーラーでも使われているもので、珍しいわけではない。実際、広汽トヨタで使われているシステムも、そうしたものから着想を受けたものである。重要なのは、その背景に「e-CRBに中古車を一体化する」という考えがある点だ。

「まず、中古車査定の能力がない。そして、相場の情報がない。結果、販売すべき中古車の安定供給が出来ていない。そうした部分を改善することで、販売全体を活性化したい」。トヨタ自動車・友山茂樹常務役員は、狙いをそう説明する。

◆査定の改善と流通のプレゼンス向上

広汽トヨタが中古車e-CRBを導入したのは、2010年5月のこと。iPadを主軸とした次世代e-CRBの店舗導入と同時に、iPod touchを使った査定システムの導入も、これに平行して行われたものである。システム化と明確な基準の提示による中古車査定能力の向上は、中古販売能力強化の第一歩である。中古車査定に使っているiPod touchを使った状態管理の仕組みも、既存顧客向けの車両修理・整備サービスで使っている状態管理システムと共用されている。

そしてさらに、その中核となるのは、中古車そのものの流通改革だ。店舗からの下取りだけでは、中古車の供給能力として不安。そこで、他の中古販売店や、広汽トヨタグループ全体の中古販売ルートの連携を強化した。

中古車の価格は地域によって少しずつ違う。その情報をe-CRBと連携するB2Bシステムでまとめつつ、専任の担当者が交渉しながら、各店での中古車在庫を増やしていく。ウェブシステム上での情報収集が中心だが、交渉そのものは、中国の慣習に従い、メールや電話を使い分ける形を使っており、日本の中古車オークションシステムとは相当に異なる。

だが、最終的な狙いは同じだ。

中古車の価値を安定させ、顧客が安心して「次の車」を買えるようにすることで、顧客満足度を上げて、販売実績につなげる。中古車販売の仕組みをe-CRBと連携するのも、それがCRMの考え方そのものであるからだ。

《西田 宗千佳》

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