【アバルト 500 試乗】5速MT車が持つ独特の存在感…松下宏

試乗記 輸入車
アバルト500
アバルト500 全 7 枚 拡大写真

フィアット車をベースにスポーティな走りの仕様を与えられるアバルトは、その昔、サソリのエンブレムを掲げてモータースポーツシーンで大活躍した歴史を持つ。1970年代にフィアットの傘下に入り、2007年に独立したブランドとして復活を遂げた。

【画像全7枚】

『アバルト500』は日本では『フィアット500』から1年ほど遅れた2009年4月に発売され、2013年1月にはバリエーションの変更に伴ってシートを本革シートからファブリックに、またエアコンをオートからマニュアルに変更するなどの改良を実施した。これによって価格を299万円から269万円に引き下げている。

シートの変更などは仕様ダウンのイメージだが、アバルト500系で唯一5速MTに乗れるのがアバルト500であり、スパルタンな走りを求めるユーザーにはシンプルな仕様で低価格の方が好まれると思う。

搭載される直列4気筒1.4リッターのインタークーラー付きターボは、99kW/180N・mのパワー&トルクを発生する。スポーツモードを選択すれば最大トルクは206N・mに達するから、1110kgの車両重量に対し余裕十分といった感じの動力性能だ。

ターボの味付けにはやや古典的な部分があって、アクセルの踏み込みに対して一瞬のラグの後でターボによる加速が付いてくる感じになるが、それでも加速を始めたら相当に速いという印象だ。

195/45R16というやや大きめのタイヤを履いた足回りはけっこう硬めながら、乗り心地も決して悪いものではなく、操縦安定性と快適性とがうまくバランスされている感じだった。

当然ながら快適性よりも操縦安定性の高さの方が印象的で、見た目からは想像できないくらいにサスペンションがしっかりストロークしている感覚を受けた。路面の変化をきちんと受け止めてフラット感のある乗り心地を実現しているのだ。

本体価格が266万円に引き下げられたことで、輸入車のスポーツモデルとしてユーザー層を広げそうな印象を持った。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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