「第32回 ITS世界会議2026」が、韓国・江陵(カンヌン)市で10月19日~23日の5日間にわたって開催された。今回のテーマは「Beyond Mobility, Connected World(移動を超えた、つながる世界)」。韓国での開催は1998年のソウル、2010年の釜山に続く3回目で、16年ぶりとなる。
◆ITSは交通の効率化から社会課題の解決へ

ITS世界会議は、世界共通の課題である交通に関する諸問題を解決することを目的に、欧州、アジア太平洋、北南米の3地域を持ち回りで開催されている。今年も約70カ国、1万人前後の関係者が参加し、AIや自動運転、通信技術を活用した次世代交通システムの方向性について議論を交わした。
18日に開催された開会式では、韓国の伝統的な太鼓演奏に続いて主催者や政府関係者が登壇した。
まず主催者は、AIやビッグデータなどの先端技術が道路交通を大きく変えつつあると指摘。その一方で、技術の進歩そのものを目的とするのではなく、人々の日常生活を豊かにし、都市や国家を安全かつ便利にすることが重要と強調。ITSは交通の効率化だけでなく、人を中心とした持続可能な社会を実現する基盤になるべきだとの考えを示した。
韓国政府関係者からは、これまで培ってきた交通情報管理や高度道路交通技術の成果を紹介するとともに、会場展示や江陵市内の実際の道路を通じて、未来のモビリティ技術を体験してほしいとの呼びかけがあった。
◆AI、自動運転、コネクテッドの融合で変わる交通の未来

海外からも各地域を代表して今後に向けたITS世界会議の役割が語られた。
まず、日本からは警察庁長官官房審議官=交通局担当の波々伯部信彦(ほほかべ のぶひこ)氏が登壇。高齢化などを背景とする地域の移動課題に言及し、日本政府による自動運転を活用した移動サービスの拡大方針に触れた。また、各国に共通する課題について経験や知見を共有し、その課題解決の糸口として自動運転を含む新しいモビリティサービスの普及が重要になるとの認識を示した。
欧州から登壇したのは、駐韓欧州連合大使を務めるウーゴ・アストゥート氏。交通のデジタル化や自動化、環境負荷の低減を重視。米国では自動運転の普及に向けて安全性の確保、規制の明確化、技術革新の促進などを進める方針を説明。また、道路や車両、交通インフラの情報を地域を越えて共有する取り組みも紹介された。



